カープOB12名、ファン代表13名が振り返った広島東洋カープ25年ぶりの優勝:『カープが優勝した25の理由』読了

『カープが優勝した25の理由』を読了。

古葉竹識元監督やOBの北別府学さん、大野豊さん、監督を務めたこともある達川光男さん(元監督)などが

2016年にペナントレースを25年ぶりに制した広島東洋カープの優勝を振り返った企画本。

カープを支えた黒田博樹と新井貴浩

タイトルにある通り、25名の方が登場しますが、多くの方に共通しているのは、

カープを一時期離れていたものの復帰を果たした(当時)黒田博樹投手と新井貴浩選手の存在。

また、戦力ダウンが叫ばれたエースとしてチームを牽引していながらLos Angeles Dodgers:ロサンゼルス・ドジャース(MLB)に移籍した前田健太投手についても、

シーズン前から代役を他の選手が果たすと予想していた旨のコメントが散見され、OBの池谷公二郎さんは

” 彼(註:前田健太)は確かにカープのエースとして不動の地位を確立しました。

しかし練習への取り組み方として「今日は投げ込みをするから一緒にやろうよ」とか「走り込みするから、走りに行こう」と他の選手をリードしたかといえばそうではないんです。

徹底的に、自分のペースを守ることを貫いた選手だったんですね。いわゆる、俺について来いというタイプの選手ではないんですよ。

これは彼のポリシーなんでしょうけど、シーズンへの下地を作るキャンプでも、決して多くの球数を放らない。30球程度で切り上げる日さえありました。

そんな時代がしばらく続いた後に黒田が復帰して、若手は驚きをもって彼を見たと思うんです。

あの大ベテランが、ブルペンでしっかり投げ込むし、誰よりも走り込むでしょう。この取り組み方の違いですよ。”(p44)

と、影響力の違いに言及。新井貴浩選手については、OBの山崎隆造さんが、

” 新井は、特にイジられ役さえ買って出て、若手との垣根を取り払うことができましたね。

もちろん、裏では厳しいアドバイスをする場面もあったと思います。そんな、手本であり、兄貴として慕われる。

彼の懐の深さがこのチームの精神的支柱になったのは間違いないですし、何といっても行動力が伴う点が素晴らしいですね。”(p61-62)

と、チームをけん引し、一体化させた功績を高く評価しています。

選手(球団)とファンをつなぐ「カープ愛」

本では、アナウンサーにタレントやファンなどを含め様々な立場の方が登場しますが、

一冊読んで感じるのは「カープ愛」とでもいうべき、選手と、それを取り巻く方々との近しさ。

優勝を契機に黄金期を迎えるのか、一過性のことで終息してしまうのか、現時点で判断は出来ませんが、

今シーズンも躓きながらも開幕直後から首位を快走。「カープ愛」がある限り、

セントラル・リーグの主役をカープが担う時代は、しばらく続きそうな予感はしました。

 


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