西オーストラリア州予算、赤字が過去最高
” 西オーストラリア(WA)州政府は15日までに、2016/17年度(新年度)予算案を発表し、新年度の財政赤字額が39億1,400万豪ドル(約3,090億円)と、過去最高になるとの見通しを明らかにした。
本年度予算案の見通しから赤字額が3倍に増えた背景には、同州の歳入を支える鉄鉱石の低調な相場や、悲観的な景気見通しなどがある。
WA州のナハン財務相は、消費税(GST)の分配金の増額があれば早期の黒字回復が可能とし、連邦政府への要求を強めている。地元各紙が報じた。
WA州政府は財政見通しについて、17/18年度に赤字額が18億9,300万豪ドルに減り、19/20年度には10億8,600万豪ドルの黒字に回復すると予想している。
ナハン財務相は、低調なコモディティ相場により、近年10億豪ドル以上に上っていた資源ロイヤルティー(生産賦課金)による歳入額が、8億7,200万豪ドルに縮小すると指摘。
企業投資も減り、労働市場などに影響することから給与税収や印紙税収も減少するとしている。
WA州政府は鉄鉱石1トン当たりの年間平均価格の見通しを、連邦政府が予想した60米ドル(約6,518円)を下回る47.4米ドルとしている。
州の失業率については、本年度の6.25%から、新年度には6.75%に悪化すると予測している。
WA州政府は財政再建に向けた方策として、電力公社ウエスタン・パワーやホライズン・パワーなど、州資産の予想売却益160億豪ドルを充てる方針だ。
またナハン財務相は、資源ブームがピークを過ぎてWA州の財政赤字が拡大しているにもかかわらず、連邦政府は南オーストラリア(SA)州に潜水艦の建造など500億豪ドル規模の国防事業を振り向けたと批判している。
■生産賦課金控除など資源企に恩恵
WA州政府は今後3年間に、磁鉄鉱(マグネタイト)生産企業の生産賦課金を50%控除。
また、同期間の資源探査プロジェクトに600万豪ドルを拠出するほか、◆今後4年間に同州地方部の観光インフラ開発に2億6,800万豪ドル◆州内教育部門の拡充に8,100万豪ドル◆起業家などイノベーション関連の支援に2,000万豪ドル――を拠出するとしている。
■各種料金は値上げ
一方、同州政府は、WA州政府が提供する各種サービスの料金を平均2.9%引き上げる。また年間1.5%引き上げてきた公務員の給与体系を見直す。”(出典:NNA.ASIA)
先日、生活費に関するトピックを取り上げた西オーストラリア州ですが ⤵︎ 結構、厳しいですね。
ひとえにオーストラリアといっても、6つの州と、準州と首都特別地域で構成されていて、
連邦政府は外交、徴税など限られた分野で(優越的な)立場であるものの
原則的には州政府に大きな権限が与えられていて、州によって目指すヴィジョンなり課題があって、そして、良かったり悪かったりという状況があるのだと理解していますが、
経済を資源に依存するウェートの高い西オーストラリア州としては、中国経済に依存する割合が高いとされるオーストラリアの中でも、更にその恩恵なり煽りを受ける立場とみられ、
こういった歪みの改善に、自立性を高めていくことが待望されますね。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記は、Facebookページ「オーストラリア ライフスタイル & ビジネス研究所」の5月16日掲載分の記事です。
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