数日前に、中間記をアップロードした為末大さんの『逃げる自由』を読了〜
本の中〜後半は、前半に続き、為末大さんに寄せられた質問に対する回答&コラムという構成で、
後半の四分の一程度は、第2部となり「意味を求めない生き方」というタイトルのもとイラストレーターみうらじゅんさんの対談。
先日、みうらじゅんさんの著作を読了 ⤵︎ していたので、
私個人、興味深い流れでしたが、多くの方にとっては「なぜ、みうらじゅん(さん)?!」と思われるであろう異色対談が収録されています 。
現状から考える未来と未来から考える現状
まず、本書の軸(回答&コラム)となっている部分で、印象に残ったところ一箇所抜粋すると、「知ることのリスク」と題されたコラムで
” 事前に周到に情報を集めると、どの世界にもすごい人がたくさんいて、どれをやってもうまくいかない気分になる。
世の中はライバルだらけで、難しいことをいとも簡単に成し遂げる先輩たちがいて、市場は厳しいと感じる。
冷静に考えると自分ごときが偉業を達成できるなんてありえないことだと思ってしまう。
知ることによってさまざまなリスクを排除できるけれど、それは根拠のない勇気を奪ってしまうこともある。
知らなかったからこそ始めることができて、始めてしまったら一生懸命やるしかなくて、
そしてそのうちにものになっていくということもあるのではないだろうか。
私たちはそうやって手に入るものを、始める前から想像することはできない。
現状から考える未来と、未来から考える現状は少し違っていて、どちらを選ぶかはその人次第だと思う。
ただ一つだけ言えるのは、あなたはあなた自身の本当の能力をまだ知らないということだ。”(p122-123)
「たしか作家の中谷彰宏さんの(同義の)表現あったなー」と思って調べてみたら、やはり
” やりたいことっていうのは、 やってしまっていることなんだよね。 やりたいかどうかを考える前に。”
というフレーズが検索(=NO.86)され、引用文は為末大さんなりの同義の表現だと思います。
また、元中日ドラゴンズ監督(現、同球団ジェネラルマネージャー)の落合博満さんも
「人はやりたいことは、やめろって言われてもやってるでしょ」といった意の発言を何かのインタヴューでされており、
三者三様で同様のことを発言されていますが、その他大勢から頭一つ突き抜ける源泉は、為末大さんの指摘されている考え方にあるように感じました。
因みに昨日、読了記をアップロードした黒川伊保子さんも著書(『英雄の書』)で
” 英雄を冒険に駆り立てるのは、好奇心しかない。
どんな英雄も、好奇心に駆られて冒険の旅に出、使命感によって完遂するのである。
それは文字通りの「旅」の人もいるだろうが、「思想」でも「技術」でも「ビジネス」でもありうる。その人の好奇心の方向によって。”(p146)
と、本の最後で読者へ向けたメッセージとして掲げられており、既述の四名のメッセージを統合すると
結果の分からない世界に飛び込んでいく(突き動かされていく)勇気こそ、何よりも重要な心掛けと言えるのでしょう。
みうらじゅんさんとの対談に関しては、一部分を抜粋するというよりは対談全編(50ページ弱)に触れ、感じて頂く方が伝わるべきものが伝わるであろうと思いますが、
為末大さんの場合は陸上(ハードル)、みうらじゅんさんの場合はサブカルチャーの仕掛け人として、フィールドは異なりますが、
為末大さんがみうらじゅんワールドに引き込まれていくかの感じに、視点のズレなど、読み物として楽しめると思いました。
為末大という視点を感じる200ページ超の旅
本全編を通じての感想は、為末大さんが本の中で、
” 私に期待されているのは独自の視点と、身体に関する知見だと思っていますから、こちらでも価値を提供していきたいと思います。”(p153)
と述べられている通り、世界レベルで切磋琢磨されたアスリート経歴から導かれた独自の視点に説得力があり、
従来になかった切り口からの発見であったり、もともと自分が持っていたものに気づかされる感覚を(本書の)読書を通じて実感しました。
再読すれば、また新たな気づきを得られるものと、日頃、手が伸びる範囲に置いておき、気の赴くままに本を開いて楽しみたい一冊です。
ということで👆、為末大さんにお会いしてきましたので、次回(6/18)はその模様を記事にしたいと思います。
なお、6月18日は紀伊國屋書店豊洲店(12:30〜)↙︎
及び横浜店(16:00〜)↘︎
で、それぞれインストアイベントが開催されるので、お時間お有りの方は、直に為末大さんに接することの出来る稀有な機会ですので、ご検討されてみてはと思います。