黒川伊保子さんに学ぶ、世界観の創り方:『英雄の書』読了記 ②

先週、読了記 ① をアップロードした、感性アナリストなどのお立場でご活躍されている

黒川伊保子さんの『英雄の書』の読了記第2弾.-

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今回は「世界観の創り方」というテーマで。

世界観が出来るまで

” 人は社会的動物で、厳密には他人と連携しなければ生きていけない。しかし、一方で、脳は「孤」の時間を持たないと、世界観が作れないのだ。

自分が何者かを知るには、この世を自分独自の世界観で眺めなければならない。・・中略・・

友達とつるむことを重要視するあげく、眠りにつく瞬間までSNSとつながっていては、世界観なんてとうてい作れない。

長いものに巻かれ、付和雷同して生きて、その他大勢の一人として死んでいくことになる。

・・中略・・

私たちの脳は、俗に左脳と呼ばれる左半球と、右脳と呼ばれる右半球に分かれている。

それぞれ別の仕事をしながら、時に連携して、出力(思考、言動)を作りだしているのだ。

・・中略・・

この2つの半球をつなぐのが、脳梁と呼ばれる神経線維の束だ。

脳梁は、右脳が作りだすイメージを記号化して、顕在意識にあげる。平たく言えば、「感じたことを顕在意識に知らせる通路」。

ここを通る信号の量が常に多い人は、感じたことがどんどんことばになるため、おしゃべりである。

また、話し相手のおしゃべりを解析する能力も高く、そこから潜在情報を収集し、何十年経ってもその知識を使って臨機応変に動ける。

また、周囲の微細な変化に気づき(勘が働き)、本人も知らないうちに、周囲の人々を守っていたりする。

・・中略・・

一方で、脳内に豊かな世界観を創りあげるには、ある程度、右左脳連携を寸断して、右脳や左脳をすみずみにまで信号を行きわたらせる必要がある。

右脳が、その豊かな世界観を創生するには、感じたことを言葉や記号にしないまま、ぼんやりとする時間が不可欠だ。

さらに、その裏側で、左脳のすみずみまで信号がいきわたると、世界観が理念になっていく。

・・中略・・

この状態の時、すなわち、世界観を創生し、理念を創りあげている時間、脳の持ち主は、ただただぼんやりして見える。

話しかけても生返事だし、目の前の人の気持ちや動きを察してあげることもできない。

本人も、「脳の中の出来事」を記号化していないので、自分の脳の中で、そんな壮大なことが起こっていることさえ知らない。

まぁ、つまり、天才と呼ばれる人たちは、家庭の中で使い物にならず、ただの愚図だと思われていることが多いのである。

男女関係では、相手のことをあまり見ていないので、愛情や誠意を疑われるタイプだ。

・・中断・・

というわけで、右左脳の寸断は、世界観と理念の創生のために、必要不可欠なのだ。

・・中略・・

右左脳連携を断つには、他人の思惑から離れなければいけない。

一日のうちの一定の時間、人の思惑を気にしたり、事の成り行きを案じたりすることをきっぱりやめなければならない。

だから、英雄は、仲間とだらだらとつるんではいけないのだ。そして、それは、とりもなおさず「一流になる秘訣」である。

・・中略・・

他人に「ある、ある」「わかる、わかる」「いいね、いいね」と追従して暮らしていると、脳の感性が「大衆全体の平均値」に近くなる。

・・中略・・

世界に冠たるファッション・ブランド「CHANEL」を生みだした、ココ・シャネルは、「特別な存在になりたかったら、人と違っていなければならない」と言い切った。

いつも他人の意識と一緒にいる暮らしは、英雄にはありえない。

SNSによって奪われる未来

だから、私は警告する。SNSは、この世から英雄を消し去る道具だ。

SNSが暮らしの一部になってしまうと、よほど節度のある人じゃないと、人の思惑にからめとられてしまう。

SNSでつながっていなければ別段気にしないような知人の、些細な動向まで目にすることになるからだ。

・・中略・・

本来なら、脳は、「自分に必要なものだけが目に飛び込んでくる」装置だ。

潜在意識は、顕在意識の何百倍もの情報をキャッチしていて、必要と判断したものを顕在意識に上げてくるのである。

「失敗の章」でも述べた通り(註:読了記 ① 参照)、私たちは雑踏音の中で、その雑踏音よりはるかに小さい音量で名前を呼ばれても気づく。

これは、顕在意識にはザワザワとしか聞こえない雑踏音の中から、潜在意識がさまざまな情報を拾っている証拠。

つまり、潜在意識は、顕在意識の何倍も繊細で賢いのである。

・・中略・・

潜在意識をうまく使うことこそが、運を引き寄せる基礎力なのだが、SNSでは、すべて顕在意識で眺めることになる。

なぜなら、眺めるために、眺めているからだ。

それに、それらのデータには、たいていコメントがついていたリする。これが余分。

ことばを解釈するという恣意的な行為は、脳の顕在意識を強め、潜在意識を遠ざけてしまうからね。

つまり、SNSは、大勢に流される脳を創ってしまう。その上、これがくれるビッグデータは直感にはあまり役に立たない。

やっぱり、自分の足で歩かなきゃ。

SNSは、英雄の脳から、想像力を削ぎ取り、運を引き寄せる力を混乱させる。

SNSは、付和雷同してくれる「扱いやすい大衆」をつくるのには絶好のシステムなので、ビジネスを仕掛ける側としては使わない手はないのだろう。

・・中略・・

SNSとは、一線を画すること。道具としてのみ使うこと。他者の動向に心乱される質のある人は、SNSを断つのも一つの手だ。

少なくとも、夜中のてっぺん(22時〜2時)の間の使用は止めたほうがいい。

後に詳しく述べるが、ここは、ホルモン分泌の最盛時間。電子画面を凝視して、視床下部にストレスを起こすことは、そもそも勧められないのだ。

・・中略・・

夜中のてっぺんに電子画面を凝視していると、眠りを作りだすホルモン(メラトニン)の分泌を阻害し、眠りの質が下がってしまい、疲れが残るようになる。(p68〜78)

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SNSとの程よい距離感

使い方が分からないうちに始めて、簡単な操作で目に視える効果の大きさ(人的つながりが拡大する)から

気づいたら習慣化、はたまた抜けられない中毒状態に陥るのが、SNS(ex. Facebook、Twitter)の側面であると思っていますが、

私自身はその恩恵を享受し、今週末もSNS(Facebook)を通じて出来た縁での集まりを主催しているため

「断つ」という選択はないと考えていますが、春ごろに書いた通り、弊害も感じるようになり、

⤵︎  のようなことを書いてアクセスする時間を減らすなど

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<< 2016年3月28日投稿:画像は記事にリンク >> 脱SNS依存の幸福論

距離感を測っていましたが、今回の引用は脳科学的な裏付けを得られた感覚があり、

言及の通りアクセス時間に考慮するなど「SNSとの距離を上手く取っていきないな」と考えました。

なお、中略としてカット箇所には「女性脳」の特質からみた女性の才能などについても言及されており、本では更に深い考察となっています。

長くなったので、今回はここまでとして次回(英雄脳のつくり方 2  直観力) に続けます。

 


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