伝説の俳優ジェームズ・ディーンとカメラマンの交流を描いた映画『ディーン、君がいた瞬間(とき)』を鑑賞。
レンタル店に立ち寄った際、新作コーナーに並んでいるのは知っていて、レジに持参するほどの高ぶりはなかったものの
先日読了した高田文夫さんの『高田文夫の大衆芸能図鑑』に
ジェームズ・ディーンを取り上げた回があり、
その中で・・
” 華々しい成功と突然の死の直前、若きカリスマと若き日の天才写真家は出会い、2週間だけディーンの故郷インディアナまで旅行しているのだ。
最初はギクシャクしたふたりだが何回かシャッターを押す度に心が通じあっていく。
本篇の中のエピソードがエンディングで白黒の実写となって映し出されていく時、思わず私の頬になにやら伝うものが、ジェームズ・ディーン。これ以上の色男はいない。”(p198)
の一文が決め手となり、鑑賞。
映画『ディーン、君がいた瞬間(とき)』予告編
若くして逝ってしまった伝説の貴重な生前のリアルストーリー
112分の上映時間のうち、前半は二人が知り合うところから擦れ違いながらも、互いに惹かれ合って様子が描写され、
後半は上記引用文のとおり、インディアナへの二人旅の模様中心に展開。
映画ではジェームズ・ディーンが、『理由なき反抗』の主役が決まるかどうか、といったキャリアの分岐点に立っている状況で
製作会社としてはスター性を見出しつつも、気まぐれで扱いづらい面に手を焼いていたり
ジェームズ・ディーンの方は、先が明瞭としない状況や恋人との関係などに悶々としており、
ここにもう一人の主人公である若手カメラマンが加わり、ストーリーが絡み合い展開されていきます。
ジェームズ・ディーン蘇るひと時
何より実話をもとにした重み。ジェームズ・ディーンの話しとなると、どうしてもその早過ぎた死に
もどかしいような、切ないような、前向きでない心情に囚われてしまいますが、
本作ではジェームズ・ディーンの純朴な人間性が描かれ、ものの弾みで持ち上がった小旅行が
時代が交差(1955年没)することのなかった私のような人間にとっては、よくぞ映画化されるような史実があったことに胸熱にさせられます。
物語は呆気なくといった感じでエンディングを迎え、ジェームズ・ディーンに付き纏ってしまう言いようのない感覚は拭えませんが
生前の、再現された等身大の生きざまに触れることが出来る貴重な一本であったように思います。
また、今回の鑑賞を機に改めて故人に哀悼の念を捧げたいと思います。Rest In Peace, Mr. Jame Byron Dean.-