前日 ⤵︎ に続いて
位置情報ビジネスについての学びを『大前研一ビジネスジャーナル No.10(M&A成功条件/位置情報3.0時代のビジネスモデル)』から。
位置情報ビジネス by ディズニー
位置情報ビジネスの先端を行く企業に、日本でもお馴染みアメリカのウォルト・ディズニー・カンパニー(:The Walt Disney Company)があり・・
” フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・リゾートで導入されている「マジックバンド」というリストバンド型のチケット。
このバンドにはRFIDチップが埋め込まれており、チケットのみならず、直営ホテルのルームキー、待たずにアトラクションに入れるファストパス、クレジットカードとしての機能を備えていて、来園者にとっては大変便利です。
この便利なリストばんどがディズニー側にとっては大事なマーケティングツールとなっており、マジックバンドを装着した来園者の、ディズニー・ワールドにおける行動の一部始終を把握しているのです。
どれだけ詳細かというと、例えば「グーフィーには興味を持ったのに、白雪姫には見向きもしなかった」などといったことまで把握しているから驚きです。
これらのデータを収集し、分析することで、マーケティングメッセージをよりカスタマイズすることができます。
その結果、「あなたにはこんなアトラクションもありますよ」と、おすすめのアトラクションを提案することなども可能になり、よりきめ細かなサービスの提供へと繋がるのです。
・・中略・・ ディズニーはもともと分析が大好きですから、以前から駐車場を調べて、どの地域の車が来ているのか、その地域と同じような所得層の地域はどこか、など顧客を分析し、訴求したい地域に対して集中的に広告を出すといったことをしてきました。
この、パーキングをベースに行っていた分析が、RFIDチップ入りのマジックバンドによって、さらに細かくできるようになったということです。”(No.1199-1213/数値は電子書籍のページ数)
位置情報ビジネス by ドコモ
また、観光業ではドコモ・インサイトマーケティングが・・
” 外国人が日本に入国したとき、携帯電話を持っている人は電源を入れます。その際、携帯電話ネットワークに登録するための情報のやりとりが発生します。
この情報で、訪日外国人がどのエリアにいるのかが把握できます。
さらに利用者は国別にローミングの契約をしていますので、ローミングの事業者情報(どの国のローミング事業者であるか)をネットワーク側が得ることで、彼らがどの国から来たかということも分かるのです。
これらのデータを分析したアウトプットイメージが、図-23の右側にあるエリアマップです。
円グラフの大きさで人数のボリュームが分かります。このように1時間ごとの市町村単位での訪日外国人分布を国別に色分けして円グラフで表示し、分布を把握できるサービスを提供しています。
地域別にここまで子細なデータを得られれば、「中国系の人がこの地域に何人くらいいる」「爆買いのプロモーションをこうしよう」「ロシアの人が増えているからロシア語の通訳を増やそう」など、的確なプロモーションや対策へと繋げられます。”(No. 1234-1248)
といった具合。
手を伸ばせば、そこに来ている未来!?
位置情報ビジネスに対する理解を深める上で、大切なことは・・
” これからは特定の技術やサービスを1つずつ別々に勉強していては駄目なのです。
半年に1回程度で良いので、全てを総合的に見直してみて、新しい事例や面白い会社、そういうものが出てきていないかを見ることを勧めます。”(No.821)
と、大前研一さんは読者へアドバイスされ、本書では実際、フィンテック、
ドローンといったテクノロジーの事例にも話題が及び
これらを組み合わせることによって、画期的なサービスが生まれていく素地があることが分かります。
日常生活の中で、自分自身が「こういうのがあれば、便利だなぁ」といった思いは案外、
先端事例に触れること、実は手を伸ばせば実現する世の中であるかもしれません・・