『西村雅彦の俳優入門』を上梓された俳優の西村雅彦さんのトークショー(サイン本お渡し付き)に参加。
大切だけど、学ばれていないこと
トークショーの後半で行われた質疑応答で、ご自身を「役者」と表現されていましたが、
出版のきっかけは、地方で素人の方と芝居づくりをされるようになり、言葉を伝えることの重要性を実感されてのこと。
言葉を的確に相手の心に届けられるようになると、コミュニケーションが生き生きとして、会話が楽しくなるようになる。
多くの素人の方と接せられる中で話し方がボソボソとしていたり、きちんと会話していない人たちが多いことに気づかされ、
それはきちんと声が出るように発声の準備(喉を温める)をすることや、しっかりとした呼吸法(鼻呼吸)を実践していることの大事さを指摘。
単なるトークにとどまらず、発声の練習も急遽といった形で実践され、本の内容をしっかり伝えたい思いが伝わってきました。
また、ピンポン玉を用いた実演では、玉があることで適切な伝わり方を意識するようになったり、
言葉に愛があると(会話の)武器になったり等、面倒臭いことを実践してみるからこそ、大事なことがしっかり身につくと。
そこには西村雅彦さんの人生哲学もあり「やる前から答えを出してはいけない」、
人は自分のことを分かっていないもので、「何でもやってみること=やってみなきゃ分からない」と、ご経験から伝わってくる言葉の重みを実感しました。
西村雅彦流、場のつかみ方
当初はトークショー20分の予定が、即席ワークショップの開催に、参加者から質問が飛ぶようになり、
一対多での対話のコツについて問われ、西村雅彦さんは視野が狭まりがちなところ広くしていることが大事で、リラックした状態で人に言葉を向けるようにしている。
それなので最初に発する言葉を決めるようなことはせず、視野を広く保ち、場の空気を感じてから言葉を選択されているそうな。
『古畑任三郎』で決めた覚悟
また、キャリアについての質問も飛び、出世作(と思われる)の『古畑任三郎』での今泉慎太郎役について
当初、端役であったもののレギュラーは主役の田村正和さんと二人しかいない設定で、
「こんなチャンスはもうないだろう」と、後悔のないよう勇気を出して、やってみようと考えられたことは全て出し切ったとのこと。
私自身、『古畑任三郎』は何となく数話見ているという状況で、今回のイベント参加のきっかけでもありますが、
そういう中でも、しっかり西村雅彦さんの存在感が伝わってきた裏側には、覚悟を決めて取り組んだ経緯があると知り興味深かったです。
西村雅彦という個性に魅了されたイベント
質疑応答は盛り上がる一方で、最後は司会の方がやんわり間に入る形で幕を閉じ、トークショーは45分にも及びました ^^
ここから参加者一人一人にサイン本のお渡しに、希望者と2ショット撮影 ↓
当初の期待はそこにあって、実際に写真が撮れて嬉しかったですが、
それにも増して良かったのは『古畑任三郎』の時に感じていた他の誰でもない独特の間に、存在感に。
そして今回感じた西村雅彦さんの真摯な姿勢にサービス精神が相まった塊りのようなものをトークショーで感じて、
これは、この場に来ることがなければ得られなかった感覚であったろうと、
日曜日の昼下がりの開催であったこともあり、しばし心地良い余韻に引きづられました〜