先週、読み始めの段階で一旦記事にした ↓
『宝くじで1億円当たった人の末路』を読了。
社会、世間に同調できず悩んでいる方に込められたエール
本の最後「おわりに」で
” 全編を読んでいただいた方は、既にお気づきになったかもしれませんが、
本書には、「人生で様々な選択した人の末路を探る」とば別に、もう一つ、裏のテーマがあります。
それは、社会や世間にうまく同調できずに悩んでいる方へのエールです。
ここまで様々な専門家の方が指摘してきたように、日本はとても同調圧力が強い国です。
何事も目立たず、周囲と同じことをしなければならない。そうでない人は変わった人である ー 。
そうした社会的風潮は間違いなく、日本人の人生を生き辛いものにしてきました。
実際、この国に暮らす人々が持つ悩みの種の多くは、「人と違うこと」です。
ほかの人は友達がたくさんいるのに自分はなぜ「友達ゼロ」なのか、隣の人は子供がいるのに自分はなぜ「子なし」なのか・・・。
「人と同じでありたい」と思う限り、悩みの種は一向に尽きません。
そして、何とか人と同じになろうと無理をして、新たな悩みを抱えてしまいます。十分な資金がないのに「賃貸派」を卒業して住宅ローンを組む、
富裕層に負けない教育を施そうとして「教育費貧乏」になる、個性がなによりという世間の風潮に流れて子供に「キラキラネーム」を付ける・・・。
いずれも根底にあるのは、世間への同調です。
同調圧力をぶっ飛ばせ
しかし、ここまで読んでくださった方なら、そんな同調圧力に自分を合わせることがいかにナンセンスか、お分かりいただけたはずです。
会社生活も私生活も、自分がそれを望むなら、堂々と「人と違うこと」をやればいいんです。”(No.3278-3291)
自分が感じていることには「理由」がある
・・という著者の日経ビジネス副編集長の鈴木信行さんからのエールが本書に込められている中、
本の中〜後半にかけて印象的だったのは「グロい漫画が好きな人の末路」と題された項目で
漫画の人気作品の中に過激な描写が散見される状況に対して・・
” 本当はこういう自分でありたいのに、親や世間の手前、別の自分にならざるを得ない ー 。
そんなアンビバレントな感情を持ち続けると、人はやがて「事故の不一致」と呼ばれる状態に陥ります。
大きな問題を起こしたり、リストカットをしたり、過食・拒食症になる子の多くはこの状態に陥っています。”(No.1613)
具体的には
” 攻撃的でグロテスクなゲームに惹かれるのは、その子が心の中に攻撃性や痛みへの欠乏感を溜めている証拠である “(No.1630)
ということが一例で、示されている展開は過度に自身の感情を抑え込んでしまった結果なのでしょうが
要は自分が感じていることは、本当の自分が欲していることが示されたもの。
法の一線を超えたり、人に迷惑かけたりすることは出来ませんが、
皆と違うからその感情を押し殺さなくてはいけない、思い悩んでしまうといった状況に、
著者の鈴木信行さんが、さまざま各分野の専門家に取材される中で、統計などを交え実際のところを紐解き、
心の負荷を軽減(又は除去)、本来あるべき姿、進むべき道筋を示していってくれる一冊です。