菅付雅信さんに導かれる、モノが買われなくなった時代の未来:『物欲なき世界』中間記

書店にいる際、タイトルに反応して購入した『物欲なき世界』を読み始めて

半分あたりのところまで来たので、そこまでのおさらい。

全部で6章あり

1. 生き方が最後の商品となった

2. ふたつの超大国の物欲の行方

3. モノとの新しい関係

4. 共有を前提とした社会の到来

5. 幸福はお金で買えるか?

6. 資本主義の先にある幸福へ

現在、4章の途中。いかに印象に残った箇所を引用すると・・

ライフスタイル・ブームが示すこと

” 今、一番メディアで語られている単語のひとつは、「ライフスタイル」であるという。

・・中略・・

ライフスタイル・ブームとは、消費社会の成熟を示すものであり、今や人々は単に商品が欲しいのではなく、商品にまつわる物語や生活提案を求めている。

ゆえに商品だけを売るのではなく、商品にまつわるライフスタイルを提案しなければいけない ー 。”(p10-11)

セレクトショップ大手 BEAMS(ビームス)設楽洋代表取締役へのインタヴューで

” 創業当時は情報もモノもなかった時代ですから、知らない情報、見たことのないモノを提案してあげることが、セレクトショップの第一の役目でした。

しかし、今は少し違います。数ある情報のなかから絞り込んであげることが我々の役目になりました。

そういう意味で、セレクトショップは十貨店だと思っています。百貨店に行けば何でもあるけれど、自分にとっていらないものもあります。

・・中略・・

セレクトショップは、これだけあれば必要十分というものを絞り込んであげる、モノと情報が多すぎて、ある程度絞りこんでほしいのであれば、私たちの十貨店に来てほしいのです。”(p36)

といった時代認識に、アメリカのポートランドをライフスタイル先進都市として、

ポートランドの実態や人々に取材等で切れ込んでいっている点など。

消費者たちの「今」と、小売業の「これから」

モノが溢れて、ストーリーやこだわりなどで売る時代になっていった流れは、

大方の時代認識と一致して、本書前半を通じて理解を深めることになりました。

普段、何となく感じていることが、専門家の口(言葉)などで簡潔に説明されており、

読み始めの時点では「翻訳本?」との妙な先入観がありましたが、

ページが進むにつれてペースアップしてきて一冊を通うじて「今」消費者たちの要諦に、小売業が志向すべき「これから」について、しっかり自分自身の意見を見出したいと思います。

 


Comments

comments