養老孟司先生が紐解いた「オーストラリア英語の壁
” オーストラリアの英語にふれたとき、人間はどこでも同じだと思ったことがあります。
オーストラリア英語は発音が違うでしょう。とても変わった発音です。英語だけれど、「A」を「ア」ではなく、「アイ」と発音する。
またそれを頑なに直さないのです。I come here today が、 アイ・カム・ヒア・トゥダイ に聞こえるので、「今日、ここに来ました」が、I come here to die つまり、「死ぬためにここに来ました」になってしまいます(笑)。
それではラジオはどうかといえば、クイーンズ・イングリッシュ。米語ではなく、きちんとした英語です。
・・中略・・
なぜかと言うと、オーストラリアはもともと流刑地だったところです。刑務所と同じで、先に入っている人が偉い。牢名主っているでしょう?(笑)。
後から来た人を差別するのです。その典型が言葉です。後になるほど言葉は通じなくなってきますから。”(出典『京都の壁』p35-36)
『バカの壁』などでお馴染み解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司先生の京都の魅力、特質に迫った著書でのオーストラリアが引き合いに出されている箇所からの引用ですが、
あだ名、ニックネーム、略称、隠語等々、仲間内だけでしか通じない言語表現は日本でも一般的なことで、オーストラリアではそれが発音で示されたという解釈になりますかね。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所