「人が健康的に働けるのは週39時間まで」オーストラリア国立大学 研究
” オーストラリア国立大学の研究によって、人々が健康的に働けるのは週39時間が限界であると示されています。
過労は日本だけではなく世界的に問題になっており、近年の科学研究によって、労働時間を削減することが重要であるという証拠の数々が示されています。
テクノロジーの発展によって仕事が減るかと思えばそうとも限らず、2002年には就業時間外に仕事のメールをチェックする人は全体の10%以下でしたが、
今日はスマートフォンやタブレットの存在もあり、寝る前に50%の人が仕事のメールをチェックをしていると言われています。
人の活動状況と健康についての研究として、コロンビア大学が45歳以上の被験者8,000人以上の活動状況を追跡したところ、人々の平日の不活動時間は平均12.3時間でした。
そしてこのとき、1日13時間以上座っている従業員は、不活動時間が1日11.5時間の人よりも約2倍、早く死ぬ割合が高かったといいます。
複数の研究から、長時間座っていることは喫煙並に人の寿命を縮めると結論づけている研究者もいます。
また、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らが中年の男女を中心とした8万5,000人の労働者を調査した結果、過労と心血管疾患の関連性を発見しています。
働き過ぎは、特に心房細動など不整脈に関するリスクを増加させるとのこと。この研究において「働き過ぎ」とされたのは週55時間以上の労働を行っている人で、
これらの人は週35~40時間働いている人に比べ、その後10年の心房細動のリスクが40%増加していたといいます。
「働き過ぎ」の傾向は世界各国で起こっており、ドイツの金属労働組合であるIG Metallでは、1万5,000人もの労働者がワーク・ライフ・バランスを向上させるため週28時間労働を求めてストライキを行いました。
2017年2月にオーストラリア国立大学の研究チームは「健康的に働ける限界は週39時間だ」という研究結果を発表していますが、
ドイツでストライキを行った労働者らも自分たちの要求について「怠惰ではなく自己防衛」だと説明しています。
なお、シリコンバレーのコンサルタントであり起業家&スタンフォード大学客員研究員でもあるAlex Soojung-Kim Pang氏は、現代の労働者がクリエイティブでいられるのは1日4時間までであると主張しています。
さらに、スウェーデンで1日6時間労働を2年間取り入れた結果、労働者は自分たちがより健康的になったことを報告し、また仕事の生産性が組織全体で85%も向上しました。
「8時間労働」から「6時間労働」に変更した結果、人は本当に幸せになれるのか?
ただし、これらの研究の多くは「労働時間」という数字的側面に着目したものであり、雇用条件について語るものではありません。
例え1日数時間であってもストレスにあふれた労働環境であれば、労働者の自由や創造性は失われてしまう可能性もあります。
市場調査会社YouGovの調べによると、イギリスでは全体の3分の1の労働者が自分の仕事は無意味だと考えているとのこと。
労働時間とともに労働環境や従業員の士気の改善がなければ、労働時間削減の効果は少なくなってしまう可能性もあるわけです。”(出典:GiGAZINE)
オーストラリア人の睡眠に関しては以前も取り上げており ↙︎
直感で日本の方が深刻なような気がしていますが、研究成果が明らかとなっても、ほいそれとは是正出来ないところに、この問題の難しさがありますかね。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
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