高城剛さんの『21世紀の「裏」ハローワーク:人には言えないもうひとつの職業図鑑』(電子書籍)を読了.-
本書が発売されていたことは昨年から把握していたものの、次々と読みたい本を差し込んでいてこのタイミングまで持ち越していたもの。
うかがい知れぬ業界に携わる人たちの生計
一旦、読み始めると・・
” 高城:今日はタレントとしてのお話しではなくて、東京の美しい女子の生態についてお尋ねしたいと思っています。
当然、昼のお仕事とは別に、夜も遊びに行ったり、営業したりしていると思うのですが。
ちえみ:はい、暴露させていただきます。
高城:普段は、どんなところで遊んで、何をしているのですが?
ちえみ:普段行くのは、西麻布が多いです。西麻布って、夜にきれいな女の子が集まるイメージありませんか?
キャバクラや、ガールズバーで働く女の子もそうなんですけど、それ以外にも、すごくきれいで「タレントなんじゃないか」っていう子たちがいっぱいいるんです。
その子たちは飲み会に行っています。
高城:どんな飲み会なんですか? (以下省略)”(位置 No.32、38)
タレントを育成する側からすると
” 事務所側からすると、タレントやアイドルを売り出すために育成費用やプロデュース、営業などに多大なコストをかけている。
手塩にかけて育てて売れっ子になるのはほんの一握りで、大半はそのまま消えていく。
そのため、ある程度人気が出ても、先行投資の費用を回収するために給料を据え置くことが多いのが現状だ。”(位置 No.15)
という現実があり、その間隙を縫うかの仕組みが夜の世界で確立されていたという・・
上記は「アイドルギャラ飲み」からの引用ですが
更に、
スカウトマン
セクシー女優
ホスト
キャバクラ嬢
闇金
読者モデル
という目次立てのもと、
それぞれ通常ではうかがい知れない業界の現実が、高城剛さんの取材に基づき生々しく綴られています。
華やかさに、厳しさに、当事者たちから学ぶ知られざる現実
最初は読んでいて、うかがい知れぬ世界に興味津々といったところでしたが、やがて
金銭感覚が麻痺してくる感じに、本書に登場している人たちは現役(の成功例)あるいは上手くやり抜け、次のステージへ移行したものの
本書に直接登場はしていないのだけれども、さじ加減を誤ると取り返しのつかない現実も透けて見え、
容易ならざる現実も伝わってきます。本書の特徴として掲載されている統計も充実しており、
各項目、取材対象は一人ですが、おおよそ業界の俯瞰図は感じ取れるものと。
時折、TVでホストの世界の現実などが放映されていましたが、幅広く夜の世界に裏舞台の世界が一覧できる構成であるように思います。