オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:ビクトリア州、7月1日から犬、猫の生体販売原則禁止 ①

ビクトリア州、7月1日から犬、猫の生体販売原則禁止 ①

” コアラやカンガルーをはじめ固有種の動物が多いことで知られるオーストラリアは、実はペット大国でもある。

何しろ、人口よりもペットの数が多く3軒に2軒の家庭がペットとともに暮らしているというのだから。

シドニーに次ぐ第2の都市メルボルンを州都とするビクトリア州では州法改正に伴い、今年7月1日以降はペットショップで犬や猫を販売することが原則として禁止されることになった。

例外は、シェルターなどの動物保護施設から引き取られた生後6カ月以上の保護犬や同8週以上の保護猫だ。

この日を境に、州内のペットショップから月齢の若い子犬の姿が消えるわけだ。

知り合いから譲り受ける場合は別として、生後6カ月未満の子犬が欲しければ、

ペットショップではなく動物保護施設を自ら訪れるか、ブリーダーに直接連絡をするかの2択、自分が最初の飼い主になりたければ、ブリーダーから購入するしかなくなる。

▽生体販売を巡る動き

どのような環境で誰によって成育されたか分からない生きた動物をペットショップのショーケースに展示し商品として販売する、

いわゆる「生体販売」に対する疑問や反発の声は、年々高まっている。先進国を中心に、生体販売を条例等で禁止する自治体も少しずつ増えている。

だが、国や州レベルで法規制するというのはまだまだ珍しい。アメリカではカリフォルニア州が州として初めて犬や猫などの生体販売禁止を法制化。2019年1月からの施行が決まっている。

オーストラリアでも、州としての法制化はビクトリア州が初めて。ただし、わたしの住むニューサウスウェールズ州でも、生体販売を行わないペットショップの方がはるかに多く、店頭で子犬や子猫を見かけることはあまりない。

▽法改正が目指すもの

今回の法改正は、14年の州議会選挙で政権を奪還した現アンドリューズ州首相率いる労働党が野党時代に掲げた公約を数年がかりで実現したもの。

ペットショップに対する規制にスポットライトがあたりがちだが、ブリーダーに関しても保有できる母犬の数に上限が設けられるなどといった新たな規制の導入が予定されている。

目的は、劣悪な環境で繁殖を行う「パピーファーム」と呼ばれる利益最優先の悪質な子犬繁殖場の撲滅だ。

動物愛護団体は、今回の州法改正によって創設される新たな登録制度「ペット・エクスチェンジ・レジスター」を高く評価する。

これまでもブリーダー業は所在地の役所に届け出る必要があり、州内に79ある自治体がそれぞれ管理してきた。

今後構築される州全体の包括的なシステムでは、「誰が繁殖し、どこから来たのか」が分かる「ソース番号」を登録者に発行することにより、トレーサビリティー(生産流通履歴)を確保する狙いがある。

新制度の登録対象者には、「バックヤードブリーダー」も含まれる。これは、自宅の裏庭などで生まれた犬や猫を販売する個人のことだ。

19年7月からは、犬や猫の譲渡広告にはたとえ無料であっても、ソース番号と個体を識別するマイクロチップ番号を明記しなくてはいけなくなる。”(出典:KYODO

数年前、アメリカで生体販売をしないペットショップについての記事を読み、その姿勢に共感したことを思い出しました。

日本でも殺処分が、昨今、社会問題になり、対策に乗り出す自治体の取り組みがニュースになるようになりましたが、

生体販売自重がオーストラリアを含め世界的になっているトレンドを知り、犬、猫と長い付き合いとなっている私自身、歓迎すべきことと感じました。

オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所

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上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2018年5月11日分の掲載記事です。

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