『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』を読み始めから6割弱のところまできたので中間記。
本の最初に設けられた「推薦の言葉」に、
” 「どんな用事を抱えている人をお客様にするのか?」から始まる「9つの質問」は、業界を問わず、ビジネスを成功させるための普遍的な「儲ける仕組み」をつくるためのフレームワークである
「9つの質問のマトリクス」で表現される考え方は、非常にシンプルでビジネスマンの核心をついていて素晴らしくかつ斬新である。
起業家、学者のみならず幅広いビジネスマンにお勧めの秀逸の書である。”
ライブドアが仕掛けたM&Aの際などに、TVのコメンテーターで名を馳せた 佐山展生 さんの推薦が物語るように、
シンプルなフレームワークが示され、難しい予備知識がなくとも多くの人に読みやすい内容で書かれています。
なお、本書で効果を発揮出来る読者層として・・
” ① 新しいビジネスを展開するのに、何を決めておかなければないかが分からない。
②今のビジネスの組み立てでは、儲けが出ない。でもどこから手をつけてよいかわからない。” (4%/百分率は紙の本でいうところのページ数に相当/以下同様)
と紹介されています。
ビジネスを俯瞰する「9つの質問」
本書のキーワードとなる「9つの質問」とは、
” 経営学の研究者である私が(著者:川上昌直さん)、時には事業の当事者として、時には経営者の相談相手として、また時には研修講師として、
理論と実務の両面を広く観察し、さらには実際の事業プロジェクトでそれを検証してきたものです。” (18%)
で、「9つの質問」とは ⇩
1. どんな用事を抱えている人をお客様にするのか?
2. 解決策として何を提示できるのか?
3. どのように提案するか?
4. 誰から儲けるのか?
5. 何で儲けるのか?
6. どのようなタイミングで儲けるのか?
7. どのような手順でやるのか?
8. 手順の中で何が得意なのか?
9. 誰と組むか? (18%)
” これらの質問事項が「儲ける仕組み」をつくるための決めごとである ・・中略・・
それぞれがバラバラに存在するのではなく、有機的に結びつかなければならないものであり、どれかひとつの質問に対しての答えが変われば、
その他の質問に対する答えも再び見直す必要があるということです。” (18%)
” 9つの質問の裏側には、それぞれロジックがあります。 ・・中略・・
「儲ける仕組み」へ確実に近づけるには、9つの答えをそのままにしておくのではなく、すべてを組み合わせてストーリーをつくることが重要です。ストーリーとは「つながり」です。” (3%)
「9つの質問」がマトリクスにされたものが、下記。
” 儲けるビジネスを世に送り出していくためには、9セルが埋められていることが最低条件。この9セルをきちんと埋める思考法を身につける必要があります。” (19%)
「9つの質問」には・・
” ビジネスを成功に導くためには、「これだけは必ず押さえるべし」という構成要素があり、それを効率的・効果的に導き出す手法として「9つの質問」はつくられています。” (21%)
” 決めるべき事項の不足は、起業経験がないビジネスパーソンや、経験が浅い経営者、あるいは自身の経験や勘のみに頼ってきた多くのビジネスパーソンがつくるビジネスモデルに共通で見られる傾向です。
彼らは、ビジネスそのものを俯瞰できていないのです。” (21%)
「9つの質問」を完成される上で大切なのは
” 単に「9つの質問」に対して答えを埋めるだけでは不十分で、それらすべての答えが、「つながっている」ということも大切なポイント ” (21%)
上記のような前提をもとに事例を踏まえ、経営でお馴染みの用語であったり、概念が分かりやすい形で表現され、例えば・・
1. “ビジネスの世界では、「顧客のニーズを探れ」「顧客のニーズは何か」ということが、よく議論されます。
しかし、儲ける仕組みを構築する際に重要なポイントは、ニーズではなく、「片づけるべき(顧客の)用事」に着目することです。
「片づける用事」とは、イノベーション研究で有名なハーバード大学のクリステンセン教授が、一連の著書で示した考え方です。 ・・中略・・
クリステンセン教授は、「顧客は製品など買っていない。顧客はなんらかの状況で、自分の『用事を片づける』ために、製品を『雇う』。
そして、既存の製品では未解決の用事があり、それが耐えられない顧客は、それを解決する代替策を雇う」” (15%)
2. ” 顧客価値とは、顧客がその商品に対して受け取るメリットや満足の総和から、顧客が支払った価格を差し引いても、なお余る「お得感」のことです。
顧客が受け取るメリットや満足が価格を上回っている、つまり「顧客価値」がプラスと判断したときに、「買おう」と決めます。” (34%)
3. ” 顧客の「不」をとってあげる、それこそがビジネスの神髄なのです。
不便、不満、不確実性、不利益・・・・・・顧客が用事を解決する、あるいはよりよい生活を送るためにこのような「不」のつく言葉の「不」をとってあげるのです。” (46%)
実践的で分かりやすい「9つの質問」
目を通したところの要点を整理すると記述の如しですが、類書と一線が画された印象を持つのは
ビジネスを俯瞰出来るフレームワークが、誰でも使えるシンプルな形で提示されている事。
実際、フレームワークに落とし込む作業では体系的理解とトライ&エラーの段階は通過する事になりますが、
全体構造を俯瞰した上で、経営の要点が抑えられる仕組みは、自分のような登竜門に立つ人間として有用性が高いです。