政治学者 白井聡さんの『永続敗戦論 ー 戦後日本の核心』を読み始めて、
「あとがき」を含め全255ページあるうちの128ページ(第二章第一節)まで、読み終えたので、そこまでのおさらい。
先週参加したトークイベントで、
対談相手の國分功一郎さんが「白井くんの名が一気に広まったのは『永続敗戦論』が出てから」といった発言があり、
トークイベント後のサイン会中に買い求め入手していたもの。本編は
第一章 「戦後」の終わり
第二章 「戦後の終わり」を告げるもの ー 対外関係の諸問題
第三章 戦後の「国体」としての永続敗戦
という章立てで、第一章に入る前の「韓国語版への序文」で
” 本書は日本のナショナリズムに対する批判的な分析である。”(p6)
と主旨は明示され、更に
” 戦後日本は、第二次世界大戦における敗戦の事実を曖昧にすること、より正確に言えば、敗戦の政治的帰結を出来る限り受け入れないことを、支配体制の核心的本質としてきたのである。
無論、あれほど重大な戦争における完敗の帰結を受け入れない、などということは土台無理な話である。
ゆえに、対アジア諸国との関係における「敗戦の否認」は、対米関係における対米無限従属という代償を支払っている。
この代償の度外れた高額さは、実体的のみならず、想像力の次元にまで及ぶ隷従によって証明されている。
本書は、この歪んだ歴史意識、世界把握の認識地図が、冷戦構造のなかでいかにして成立したのか、そしてそれが冷戦崩壊以降いかに存続不可能のものとなっているのかを解明する。
いまやこの歪みは、日本そのものと関係諸国にとって実体的に危険なものになりつつある。
それは日本にとって破局的な帰結をもたらしかねない。
そのとき生ずるのは、あの戦争での負けを正面から認めてないがゆえに、新たな敗北を招き寄せる、という事態にほかならない。
敗戦を否認するがゆえに負け続ける。これを私は『永続敗戦』と読んでいるのである。”(p11-12)
との重い前段を受けて、論が進められて行きます。
その重たきなる・・
直近で読んだ(読み終えた)ところは「(第二章)第一節 領土問題の本質」と冠され、
尖閣諸島問題、北方領土問題、竹島問題と項目ごとに考察され、これまでの自分の立場とは異なる切れ込みで、
重たく「う〜ん」と、重い課題を突きつけられた感強く。
と、これから残り半分ですが、何と本書はマンガ版も出版されるほどのヒートぶりで
多くの人に読まれ、共感を勝ち取った著書の核心に迫っていきたいと思います。