過去35年でモノ、サービスのマークアップ率 急上昇
” オーストラリアでは、モノやサービスのマークアップ率(原価に対する利益の割合)が過去35年間で急上昇したことが米プリンストン大学と英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのエコノミストによる調査報告書で分かった。
大企業が以前よりも市場占有力を行使しているのが原因という。オーストラリアンが伝えた。
両大学のエコノミスト2人がオーストラリアを含む134カ国・地域の大企業7万社を分析したところ、
全体の平均マークアップ率は1980年の1.1から2016年には1.59に上昇。
オーストラリアは1.57に上昇していた。特に過去10年間で急上昇しており、市場競争が減退していることが示されているという。
調査報告書では、市場競争がない場合、企業は市場占有力を行使し、より高い価格でモノやサービスを販売することができると指摘。
市場占有力は、労働者や消費者からリソースを奪い、企業の所有者らに再分配することにつながると述べている。
オセアニア地域でもグローバル平均と沿った形でマークアップ率が上昇しているが、
主にオーストラリアがけん引しており、ニュージーランドのマークアップ率は35%上昇にとどまっている。
だが、独立系シンクタンク、グラッタン・インスティテュートの昨年の調査では、
オーストラリアでは大企業が経済に占める割合は15%と他国に比べて小さく、市場占有力を行使していないと指摘されている。”(出典:NNA ASIA)
日本の場合、家電メーカーで例示されるように、国内競争の厳しさを指摘されますが、
耳にした話しでは「オーストラリアでは競合が2社程度(である場合が多い)」という状況からすると
消費者に選択肢が限られており、この傾向は今後も続いてしまいそうな。
賃金の伸び悩みが指摘された経緯からすると悩ましいですね。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2018年7月9日分の掲載記事です。
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