書店でタイトルに惹かれ、立ち読みした感じも「面白そうだなぁ」と、
手に取った山納洋さんの『地域プロデュースはじめの一歩』を読了。
1,000回以上のイベント開催から導き出された原理
著者の山納洋さんについて承知しておらず、他の出版等について調べてみたところ
「カフェ」に関するもの(未読)などあって、経営コンサルタント的な職業に従事されているかと思いきや、
” 僕は大阪ガスという会社の社員です。”(p1)
と、何と!会社員の方が・・
” 第1章では、「プロデュースとは何をする人?」という問いかけから始めて、プロジェクトに必要な能力と「6W2H」についてお話ししていました。
その後は僕自身が取り組んできた事例を長々とお話ししてきたので、お忘れになっていたかも知れませんが。
・・中略・・
第1章で紹介していた「プロデューサーに必要な能力」を覚えておられるでしょうか?
「プロデューサー」と呼ばれる人は、自分以外の人と協働して作品を作ったり、プロジェクトを進めたりという動き方をしています。
その現場では、気づく力、物事を大枠でつかむ力、背景を踏まえてコンセプトを立てる力、シクミをつくる力、人のモチベーションを引き上げる力、アウトプットのクオリティを判断する力などが求められます。
しかし、つねに新しいものを作り出すためにもっとも必要なのは、「どうすればいいか分からない時に、どうすればいいかを見つけようとする構え」です。”(p196)
もっと端的に引用すると
” この本では、僕が小さく試してきた実験の数々について紹介しつつ、そこから見えてきた、プロデュースの「はじめの一歩」の置き方や、物事が転がっていく時の一般的な原理をまとめたいと思っています。”(p2)
と、山納洋さんがこれまで大阪ガス会社員という立場で携われてきたご経験、気づきがシェア(紹介)されています。
好きこそ物の上手なれ
印象に残ったところでは、
” 「誰にとっての、どんな問題を解決するのか」「誰に対して、どんな価値を提供するのか」そこを明確に書けば、その趣旨に賛同・共感いただいた人たちが集まってきます。”(p19)
” 小さいながらも自分で「誰もやっていないこと」を始め、第一人者になると、そこから先に新たな地平線が開けるということを知りました。”(p56)
” 先に計算ありきではなく、まず自分が好きなことにのめり込む。そこに多くのお金と、時間と、手間をかけていく。
その過程で知識が増え、技術が磨かれ、イメージがどんどん具体的になっていく。
その蓄積が結果として、真似しようのない差別化を生み出す、そういう道筋です。”(p103)
やりたいことを実現するための最初の一歩
単発のプロジェクトに、館の運営など、具体的に採用されたノウハウ、テクニカルな事柄についても言及されていますが、
漠然とやりたいことを持っているけど、どうしたらいいのか分からないといった人たちに対して
山納洋さんがご経験された成功談に、失敗談が簡潔明瞭に記されており、
” イベントを開催したい、場づくりをしたい、地域活性化につながる動きを始めたい。でもどうしたらいいか分からないという方のお役に少しでも立てば、そう思っています。”(p2-3)
という方々へ向けた
タイトルどおり、私を含む(小さく)はじめの一歩を踏み出したい方々にうってつけの、数多くのヒントを得られる一冊であると思います。