環太平洋パートナーシップ協定発効を受け東京で初会合
” TPP=環太平洋パートナーシップ協定の発効を受け、参加11か国の閣僚級によるTPP委員会の初会合が19日、都内で開かれました。
安倍総理大臣は発効の意義を強調したうえで「私たちのドアはオープンだ」と述べ、加盟国の拡大に期待を示しました。
日本など11か国が加盟するTPP協定が先月30日に発効したことを受け19日、閣僚級によるTPP委員会の初会合が都内のホテルで開かれました。
冒頭、安倍総理大臣は「今、国際貿易システムへの信頼が大きく揺らぎ、保護主義への誘惑や国と国の激しい対立をも生み出しているが、
TPPはそれに正面から向き合い自由貿易をさらに進化させる先駆けとも呼ぶべきものだ」と述べ、発効の意義を強調しました。
そのうえで「この場を借りて世界にも呼びかけたい。私たちの理念に共鳴するすべての国・地域に対し私たちのドアはオープンだ。
自由で公正な貿易を求める多くの国々の参加を期待している」と述べ、加盟国の拡大に期待を示しました。
このあと、委員会では新規の加盟を認める場合は作業部会での交渉結果を踏まえ、国内の手続きを終えた締約国の全会一致で決定することを確認しました。
委員会終了後、11か国の閣僚らは記者会見し「新たな国・地域の加入を通じて協定を拡大していく強い決意を確認した」などとする閣僚声明を発表しました。
また、茂木経済再生担当大臣は「できるだけ多くの国・地域の参加を期待している。それはアメリカについても同様だ」と述べました。
スーパーでは値下げの動きも
TPP=環太平洋パートナーシップ協定が先月発効し、大手スーパーでは参加国から輸入された食料品の価格をすでに引き下げています。
流通大手の「イオン」は、全国のおよそ1,000店舗で、TPP参加国のオーストラリアにある直営牧場から輸入したステーキ用の牛肉を値下げしました。
値下げ幅は「サーロイン」の場合で19%だということで、千葉市の店舗では訪れた客が商品を手にとり、買い物かごに入れていました。
82歳の女性客は「このところ食べ物の値上げが多く、年金暮らしにとっては大変ですが、値下げはとても助かります」と話していました。
このスーパーでは、ニュージーランド産のキウイ、オーストラリア産のチーズやぶどう、チリ産のスモークサーモンなどについても今後、値下げを検討するということです。
イオンリテール広報部の栢野博子部長は「値下げした商品の売り上げが2割ほど増えるなど、反響は大きい。TPPの発効を受けて品ぞろえを増やしていきたい」と話していました。
各国の代表は
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚級によるTPP委員会の初会合のあと、各国の代表が記者会見を開きました。
このなかでカナダのカー国際貿易多様化相は「カナダはこれでG7の加盟国すべてと自由貿易協定を締結する初めての国になった。
投資やサービスの交流を実現させ富や雇用を創出する。それを明確に示せる模範がTPPだ」と意義を強調しました。
また、シンガポールのチャン貿易産業相は「多くの国が保護主義の台頭に直面するなか、われわれの結束を示すことができた。
先進的な貿易協定と見なされるよう状況に応じて絶えずルールを見直し、さらに多くの国の加盟を促したい」と述べました。
TPPを巡っては参加11か国のうち4か国で国内手続きが完了していませんが、19日の記者会見では、ペルーとチリの代表が数か月以内に、ブルネイの代表ができるだけ早期に手続きを完了させたいという考えを示しました。
一方で、マレーシアは去年5月に誕生したマハティール政権が協定への参加に慎重な姿勢を示していて、19日の会見でもマレーシアの代表は「TPPの評価を進めている段階だ」と述べるにとどまりました。”(出典:NHK NEWS WEB)
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2019年1月20日分の掲載記事です。
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