近田春夫さんの『考えるヒット テーマはジャニーズ』を読了。
最後、「考えるあとがき」で
” どうか、そのあたりもう一度眺め直していただいて、俺の才能にあらためて脱帽していただければ、幸いである。”(p306)
とユーモラスな一文で締めくくられる本書に、主にどんなことが書いてあるのかについては
先日アップロードした☝️中間記を参照頂ければと思います。
20年+に及ぶ長期連載の出発点
今回は本の末尾、井上孝之さんが書かれた「解説」中心に幾つか取り上げたく思いますが、
まず、時を遡ること1990年代後半に本連載が始動したのは
” 企画書には、「次から次にミリオンセラーが連発されるも、ジャンルが多様化し混迷の一途をたどり、常人には全体像が把握できない日本のヒットソングの現況。
一度、そのすべてをひとしなみに「歌謡曲」と見なし、快刀乱麻のごとくぶった斬ることが必要ではないか。
そう、その適任者は近田春夫しかいない!」みたいな文言を勢いだけで威勢よく書き殴ったおぼろげな記憶がある。”(p311)
という舞台裏があり、連載タイトルは
” 小林秀雄の『考えるヒント』をもじった表題。70年代後半に、当の『週刊文春』が近田さんの文才を指し『歌謡曲評論界の小林秀雄』という表現で賞賛したことが念頭にあった。”(p311-312)
と紹介されていて、
本を読み進めている中途から変幻自在な近田春夫節については魅了され始めていたので、
「なるほど」と ^^
ヒット曲を通じて感じ視る近田春夫さんのアングル
当の近田春夫さんは、
” とにかく、執着心が皆無なのだ。近田春夫について、ぼんやり、歌謡曲のレコードを山ほど所有するマニアやコレクターのようなイメージを持っている人も多かろうが、まったく的外れである。
大体、自分の作品すら手元に残していないぐらいなのだから。”(p324)
という実態がつまびらかにされながら本書で俎上に上げられたジャニーズ楽曲中心に約280曲、
殆ど電車移動中に車内で読み進めましたが、本来、音源再生環境のあるところで・・
なんてことを思ったもののジャニーズ楽曲については
” ジャニーズ事務所はなかなか「立ち読み」には厳しい。”(p266)
との記載から、なかなかYoutube経由等の無料は難しいようですが、それら楽曲に馴染みのある方々に、
馴染みはなくとも近田春夫さん評を読んで(例えば)
” 一般のロック好きには偏見を捨てて聴いてもらいたい今回のNEWSなのである。”(p183)
(など)気になった作品に食指を動かしてみるパターンも良かろうと・・
近田春夫さんの文体を通じて、音を楽しめる一冊です ^〜^♪