先日、ミニトークショー&サイン本お渡し会⬇︎に参加した
バンブルガーSV所属、サッカー元日本代表 酒井高徳選手の『W〜ダブル〜』読了。
「人とは違う」ことの苦悩
” 幼少期、人とは違うというコンプレックスを抱えて生きていた。”(p249)
細かくは
” 日本人の父とドイツ人の母のもと、僕は1991年にアメリカのニューヨーク州で生まれ、2歳の時、父の故郷である新潟県三条市に移った。
・・中略・・
今でこそ、両親のルーツが異なる子どもたちは多いし、スポーツ界や芸能界などで活躍する人たちもいて「ハーフ」という言葉にも馴染みがあるだろう。
・・中略・・
しかし、90年代半ばのしかも地方都市では、まだまだその存在は異質なものでしかなかったんだと思う。
特に子どもに釣っては奇異に映ったはずだ。
しかも兄弟の中で唯一、僕だけが、髪の色がブロンドだった(年齢を重ねて、その色は濃くなっていった)。”(p20)
というところから
” ただ、他のスポーツよりも多少サッカーに興味あったというだけで、サッカークラブへの入部を決めた。”(p27)
と、サッカーとの出逢いに
” 当時の僕はまだ気がついていなかったけれど、今考えると、僕のサッカー人生は、松本家の人たちをはじめ、たくさんの人間によって支えられてきた。
いわゆる「縁に恵まれる」ということだ。”(p34)
周囲のサポートにも恵まれ、地元アルビレックス新潟のユースチームから狭き門であるトップチームに昇格し、
やがて日本代表に選出され、ひいてはドイツ ブンデスリーガに渡り
” 「高徳はチームのために、倒れるまで走り続けるハードワークができる、チームメイトにも正直で誠実、積極的にコミュニケーションをとれる。
100パーセントのプロ意識を持ち、どの選手にとってもお手本になる選手、強固なチームワークを作るうえで必要なキャプテンなんだ」”(p147)
と130年余の歴史を持つハンブルガーSVでキャプテンに指名されたキャリア
裏側の葛藤やブレイクスルーに至ったプロセスが克明に綴られています。
コンプレックスを克復し実現されたキャリア
そのキーワードになっているのが、本のタイトルにもなっている
” ダブル。そこには、僕が経験してきたさまざまなことが詰まっている。
日本人とドイツ人。所属クラブと日本代表。成功と失敗。
どれも、半分ではない。ひとつ。”(p251-252)
酒井高徳選手自身は、築き上げたキャリアに関して謙虚ですが、
しっかり自身と向き合う中で答えを出し、目標をクリアし、レベルアップを繰り返す中で
数多のサポーターの支持を獲得し、更に多くのサッカー選手、アスリートの憧れの対象となるまでに成長、変貌を遂げた選手の内面に触れることの出来る著書となっています。