ブラインド・セーラー 岩本光弘さんの航海報告会に参加。
先月(2019年6月)参加した講演会⬇︎が、
主に岩本光弘さんの生涯に焦点を合わせた内容に対して、今回は、全盲者による世界初の偉業となった太平洋横断に関して。
遥かなる太平洋横断
序盤は岩本光弘さんが、太平洋航海を決意するまでの生い立ちに関するお話しから。
13歳になって今まで見えていたものが、徐々に見えなくなっていき、様子を見かねたお母様から手渡された盲人用の杖を投げ返してしまい、
以降、長期間そのことを後悔していて、
今回の太平洋横断を成就し、ゴールの福島県小名浜港でお母様に感謝の思いを伝えることが出来る良い機会になったとの思いは壮大なる航海の原点であろうと。
見えなくなった当時は、出来なかったことが訓練していくことで出来るようになる考えがなかったところから
段々、出来るようになっていく過程で夢を語るようになると、2種類のタイプの人間が出てきて、
片方はドリームキラーと称される夢に否定的な思いを述べてくる人たちと、他方は夢の実現法を一緒に考えてくれるドリーム・サポーターが現れ、
参加者一人ひとりに夢を語るようになると必ずドリーム・サポーターが現れるとのお話しは実感こもって伝わってきました。
更に今回の太平洋横断を実現させたパートナーとなるダグことダグラス・スミスさんを知人を介して「太平洋航海したがっている人がいる」と紹介され、
ダグラス・スミスさんから「自分は見えるけど、セーリングスキルはない。ヒロ(岩本光弘さん)は見えないけど、セーリングスキルはある。二人が組めばきっと上手くいく」と思いを伝えられ、
今回の航海を決意するに至ったプロセスに、スライドを用いての航海の模様
出港当初、風が吹かず一向に進まぬ焦燥感に・・ 遂に日本がという段階で低気圧回避で南下を強いられ、そこで吹いた強風に・・
等々の状況が、報告されました。
成功を劇的にしたクジラとの衝突
ご本人はゲストとの扱いを否定されておられましたが、
クジラとの衝突により、航海断念に追い込まれてしまった時のパートナー辛坊治郎さんも来場されており、
途中登壇され、面識ない状態で「一緒に太平洋横断を」と思いを伝えられた時からの岩本光弘さんとのエピソードに、
航海時幾つもの奇跡が重なって生還出来たことの述懐(同じことをやれと言われても、とても出来ない)に、貴重な経験談を聞くことが出来ました。
夢に果敢に邁進された人たち
90分ちょっとの報告会が終わった後、岩本光弘さんの教え子である栗山龍太さんから
今回の岩本光弘さんのために作曲した「Dream Weaver」(太平洋航海で使用されたヨットの名称)に、
2020年 東京パラリンピック応援ソング「リアルビクトリー」の2曲が披露され、その後は登壇者の方々との交流タイム。
一口に「太平洋横断」と言えども、とても現実感を抱くことは出来ませんが、
果敢に夢実現に向け邁進されていった方々に、
実現されたたちと交わった感覚は、垣根を感じることなく不思議なほどに自然体そのもので、
偉業と称される凄いことなのだけれども、そこを突き抜けた爽快感のようなものを感じてきました ..⛵️