斎藤幸平 編著『未来への大分岐』刊行記念トークイベント 資本主義の終わりか、人間の終焉か? 大分岐の時代の未来会議 斎藤 幸平×白井 聡 参加記

大阪市立大学大学院准教授 齋藤幸平さん編著『未来への大分岐』刊行記念トークイベント

資本主義の終わりか、人間の終焉か? 大分岐時代の未来会議

会場は紀伊国屋書店新宿本店9Fイベントスペース(画像はイベントページにリンク)

斎藤 幸平(著者)x  白井  聡(ゲスト)に参加。

昨年(2018年)白井聡さん登壇のトークイベントに参加後、

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立て続けに著作『国体論  菊と星条旗』『永続敗戦論』『「日米基軸」幻想』『「戦後」の墓碑銘』を読んでいて、

今回のイベント情報に白井聡さんのお名前を見つけ、参加を思い立ったもの。

冒頭、対象書籍について説明があり、

著者の斎藤幸平さんが、(いわゆる)左派と称される人たちが、現状に「No」を突きつけてもビジョンを打ち出せない状況に、

海外の知識人(マイケル・ハート、マルクス・ガブリエル、ポール・メイソン)と対談を重ね、如何にしてビジョンを打ち出せるか?といったことが念頭に。

気候変動、AI、ベーシックインカム x 近未来

トークは一橋大学の先輩に当たるとの白井聡さんがリードする形で、(白井聡さんが)お話しされ問題提起された後、

齋藤幸平さんが受けるといったリレー形式で進行。白井聡さんは、本書を「難問に逃げずに取り組んでいる」と評価。

斎藤幸平さんのお話しで印象に残ったのは気候変動についての言及が複数回及び

国際基準で気候変動については語らぬ左派は左派に非ずといった評価に繋がるとのこと。

出典:集英社新書編集部Twitter(画像はツイートにリンク)

政治家は次の選挙のことしか考えられていない現実に対して、子どもたちにとっては極めて重要で、先の参議院選挙でも全く論じられていない。

この点に関しては語る場もないし、社会運動も起きていないと。政治家、エリートに委ねるべき問題ではなく、

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリを引き合いに、

出典;論座(画像は記事にリンク)

小さくとも自らが動き出すことが大事であると。

白井聡さんはAI(人工知能)が普及していくことで懸念されること(ex. 人間がゴミ扱いされる)に、

当初は左派の主張であったBI(ベーシックインカム)が、堀江貴文さんや右派とみられる人たちも容認姿勢を見せていることに実現可能性などに言及。

堀江貴文さんの資本の蓄積に貢献出来ている労働者は一部の天才などに限定され、その他はベーシックインカムの・・といった主張(の紹介は)は刺激的でした。

異なる視点から

このところは、本トークイベントで分類される右派寄りの論客の方々の映像(コメント)に、

著書に触れる機会が多く、今回60分超で交わされた見解の数々に、真逆までは行かないものの異なった斬り口で考える

近未来、蓋然性の高い未来への展望は、そこに明るさを見出すには至りませんでしたが、ちょっとした刺激を抱きました。

最後の斎藤幸平さんのまとめなど、土台がない分、消化し切れませんでしたが、その辺りは後日『未来への大分岐』を読みフォローしてみたく思います。


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