『亀渕昭信のオールナイトニッポン 35年目のリクエスト』を読了。
月初(2019年8月)参加した泉麻人さんと鈴木啓之さんのトークイベントに
亀渕昭信さんがゲスト出演されたことをきっかけに購入していた一冊。
ラジオが元気だった頃の
本書は、亀渕昭信さんがオールナイトニッポンのディスクジョッキーを担当されていた時分、
” 最盛期は一週間で二万通ものリクエスト・カードが来ることもありました。
一週間分をまとめて読もうとすると一日仕事では終わりません。いい加減になってしまいます。
ですから毎日一〜二時間は必ずリクエスト・カードを読む時間を作りました。
当時、ボクはこのリクエスト・カードを家には持ち帰りませんでした。
これらの手紙を毎日家に持ち帰っていったら、それだけで大変な努力になるからです。
ですから、普通なら、リクエスト・カード類が家にあるはずがないのです。”(p13)
というリクエスト・カードの一部(二〇〇通/1971年3月前後)が保管されていたお母さまによって見つかり、
差出人の下へ、亀渕昭信さんが訪ねていったことの番組が書籍化されたもの。なお、本書の刊行は2006年11月。
35年前の夜中を生きていた自分へ
当然、消息がつかめない方に、お亡くなりになられてしまった方に、過去に否定的な反応を示された方に・・
そういった中で、三十五年の時を経て亀渕昭信さんの来訪とともに、初対面なのにDJとリスナーの関係が一気に復元される様子は、当時のラジオの影響力の大きさを実感させられます。
かつてのラジオの存在感について、本書で亀渕昭信さんは
” 本文にも「オールナイトニッポン」が成功した要因として、土居まさるアナウンサーの登場で喋りのスタイルが変わったこと、
そして受験戦争という言葉が生まれるほど大学受験が狭き門となり、深夜でも勉強する若者が増えてことをあげられているが、
もうひとつ、フォーク・ソングやロック音楽の爆発的な流行も忘れてはならない。”(p130)
とあり、かくいう自分は後の人生を変えていくことになったVAN HALEN との出逢いは
ニッポン放送「三宅裕司のヤングパラダイス」で Jump がオンエアされたことがきっかけで、ラジオによって人生を変えられた者の一人でありました〜
メディアも移ろえども
なお、本の土台となった(ラジオ)番組は、二〇〇六年民間放送連盟番組コンクール ラジオ・エンタテインメント部門優秀賞に輝いたとのこと。
誰もが発信者となれ、動画全盛のこの時代、ラジオの存在感は弱まる一方ですが、
ラジオが元気だった時代を過ごしたものの一人として、節々で「この気持ち分かるなぁ」とか、
番組で流され曲名をメモして、翌日、レコード屋なりレンタルや買いに走った頃を思い出し、
ときに懐かしさであったり、内容に共感しながら本を読み進めていくことが出来ました ^^