先週末、中間記⬇︎をアップロードした
伊藤政則さんの『目撃証言 2 ヘヴィ・メタル:魂の旅路』を読了。
中、後半に登場するアーティストは
JUDAS PRIEST:ジューダス・プリースト、IRON MAIDEN:アイアン・メイデン、METALLICA & GUNS N’ ROSES:メタリカ & ガンズ・アンド・ローゼズ、BON JOVI:ボン・ジョヴィ
という顔ぶれ。
いわゆるビハインド・ザ・シーン
JUDAS PRIESTの章は、
” 「(『スクリーミング・フォー・ヴェンジェンス』収録のオープニング曲)「ザ・ヘリオン」は、元々、別の曲のあるパートを形成するものだったが、
それを拡大させてオープニングのインストゥルメンタル・ナンバーとして使用した」”(p177)
という知られざる?エピソードに、
IRON MAIDENの章では、
” ブルースの脱退がバンド内部にどれだけの衝撃を与えたのか。デイヴ・マーレイのこの発言が、その内実を浮き彫りにする。
「スティーヴから電話があり、彼はとても落ち込んでいた。
彼は『そろそろバンドを解散する潮時だ』と言い、『何故なら、もうだめだ!』と言う。冗談じゃないって言ったよ。”(p191)
との衝撃的な舞台裏に・・
また、伊藤政則さんのパーソナルに触れた内容も「ラジオ from1967」に
” 僕は大好きだったラジオ番組を通じて、音楽の素晴らしさのみならず、多くのことを学び取った。
それは、ラジオが決して一方通行のメディアではなかったからだ。
番組はディスクジョッキーとリスナーの共同作業で構成され、その相互通行から生み出されたケミストリーが、番組の特色となっていた。
ファクシミリや電子メールがまだ登場していない時代である。手書きのハガキや手紙が重要なツールとなった。”(p143)
といった具合でフィーチャーされており、ロック史の新たに知る情報に加え、伊藤政則さんが現在に至った個人史的な内容も読み物として楽しめました。
伊藤政則さんが媒介したアーティストと日本
6月から今回までで、伊藤政則さん本を4冊読了したことになります。
感じたのは(伊藤政則さんを持ち上げるという訳ではなく)、本書に登場するメジャーアーティストをはじめ伊藤政則さんが、日本(の業界及びファン)との橋渡し役を実現されてきたこと。
例えばEUROPEを例にすると、ファースト・アルバムが制作、発売された後、
“「凄くいいバンドを見つけましたよ」電話の相手はビクター・レコードの横田 晶氏だ。ビクターは、以前から海外の新人バンドとの契約に積極的で、梅田氏には、無名のバンドだったジャパンを成功させた実績があった。”(p80)
と、きっかけ作りをされたという類の話しは散見され、アーティストとの関係も無名時代に遡るケースが数多く、
個人的に築かれた信頼関係から、日本とのパイプに発展していったような側面も本から読み取れます。
一方で、ロックが活況を呈していた頃と比較してロックというカテゴリーがパワーダウンしている現実も知らしめられましたが、
興味ある分野で伊藤政則さんだからこそ知り得た内容満載で、ページをめくるプロセスが、とても楽しめた一連の読書でした。