スキー客「ニセコ離れ」。宿泊料高騰で本州へ
” オーストラリアのシドニーと新千歳を結ぶ直行便が昨年末就航し、北海道と同国が12年ぶりに結ばれた。
就航の決め手は、同国から後志管内のニセコ地域を訪れるスキー客への期待だ。
ところが近年、オーストラリア人観光客がニセコではなく、本州のスキー場を旅行先に選ぶケースが急増している。
ニセコをいち早く世界に発信してきた彼らの「ニセコ離れ」の背景に何があるのか―。同国で取材した。
昨年12月下旬、真夏のオーストラリア・シドニーの書店。
日本のスキー場に関する英語雑誌を読んでいた会社員ベン・テイラーさん(35)は「ニセコは信じられないほど混んでいるし、ホテルが高くなって気軽に行けなくなった」とし、今冬は毎年のように行っていたニセコをやめ、長野に2週間滞在するという。
テイラーさんが手にしていた雑誌の巻頭特集は福島県の猫魔(ねこま)スキー場で、長野県白馬村や新潟県妙高市の特集が続く。ニセコの記事は70ページ中1ページだけだった。
後志管内倶知安町の統計によると、同町の2018年度の外国人延べ宿泊者数は約46万5千人で増加傾向。
だが国・地域別では、香港やシンガポールなどのアジア人観光客は増えているものの、オーストラリアは11万6千人で15年度から2割以上減少している。
シドニーの旅行会社ピットトラベルの水越大輔社長は「ここ数年の主力は長野や新潟。ニセコは英語環境が整っているので、初めて日本に行く人の需要はまだあるが、宿泊料金が3年前から1.5倍になり、富裕層以外は行きづらい場所になった」という。
別の旅行会社の外国人経営者は「白馬などのスキー場が、ニセコを手本に英語対応やアプレ・スキー(スキー後の体験)を充実させ、ニセコの価値が相対的に下がった」と指摘する。
倶知安町では年々、宿泊施設の高級化が進んでおり、繁忙期の冬には1泊100万円を超える部屋も登場。
一方で人口1万5千人の同町では、サービス業などでの専門的な人材の確保が難しく、地元の関係者からも「料金にサービスが追い付いていない」との声が出ている。”(出典:北海道新聞 via Yahoo! JAPAN)
このところよく見かけるようになったオーストラリア関連記事のヘッドライン。
ニセコの競争力低下=訪日客減とはなっていないようで、広く日本国内でニーズが満たされる受け皿が整備されていけば良いように感じましたが、流れを築いたニセコにも波を捉え長く存在感を発揮して欲しく願います。