毛利嘉孝教授が迫った正体不明の匿名アーティストの正体:『バンクシー アート・テロリスト』読了

先日、中間記⬇︎をアップロードした

<< 2020年2月3日投稿:画像は記事にリンク >> 毛利嘉孝教授が迫った正体不明の匿名アーティストの正体:『バンクシー アート・テロリスト』中間記

毛利嘉孝教授の『バンクシー  アート・テロリスト』を読了。

(中間記後の)後半は、

 第四章 メディア戦略家

 第五章 バンクシーの源流を辿る

 第六章 チーム・バンクシー

 第七章 表現の自由、民主主義、ストリート・アートの未来

という項目が並び、

” バンクシーが同時代のグラフィティ・ライターと決定的に異なる点は、グラフィティという領域を超えて、現代美術を中心に印刷物を通じて広範囲な読者を獲得したことです。”(p149)

という数多いる現代のアーティストの中でBanksyが突き抜けた評価に、そもそもグラフィティとは

” そもそも「グラフィティ」とは何よりも「落書き」です。

・・中略・・

こうした文化に上書きする形で、線路沿いの壁や、鉄道車両へのグラフィティなどが、都市全域に張り巡らされた交通ネットワークを使って分散していきました。

このことによって、より一般的なコミュニケーションを可能にしたグラフィティが六〇年代に広がり、今日私たちが知っているグラフィティ文化が登場したというのです。”(p183/p186)

という、Banksyを通じてアート分野への理解を深める助けを大きく得られたように感じています。

本の後半では、

7・2  l 東京のネズミはホンモノなのか?

という項目も立てられ、

” バンクシーは、おそらく二〇〇二年頃日本に来ています。”(p283)

という状況証拠?から、果たして注目の的となった日の出駅近くの防潮扉のネズミに関して毛利嘉孝教授の推理が成されており、本書の読みどころの一つであると思います。

Banksyを通じて楽しむアートの刺激

全300ページを超える分量ながら、一項目は2、3ページといったものが多く、ペース良く読了に至りました。

既にビッグネームとなってしまい、Banksy(の作品)を壁にかけるといった芸当は見込み薄ながら

今、この時代の先端を行くアーティストとの距離を近づけられたような感覚は有り、

本書で得られた学びをもとに、これからのBanksyの仕掛けに、アートテロを自分の感覚で楽しむことが出来ればと思います。


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