関西学院大学アメリカンフットボール部 前監督 鳥内秀彰さんの『どんな男になんねん 関西学院大アメリカンフットボール部 鳥内流「人の育て方」』を読み始めてから
第一章 俺は、こんな学生やった
第二章 コーチにはなったけれど
第三章 賢くなってもらうために、面談を始めたんです
第四章 学生が育つよう、できることはたくさんあるよ
第五章 教育というのは、奥が深いで
第六章 関西学院いうのは、負けないチームやと思う
第七章 自分の不安を受け入れる、それが大切
第八章 時代に合わせて、コーチングも変わるで
第九章 スポーツは損得で勘定できるよ
第十章 世界一安全なチームをつくる
と章立てされているうちの第五章まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
関西学院大アメリカンフットボール部での原点
鳥内秀晃前監督が、関西学院大アメリカンフットボール部で指揮を執られるようになったのには、
” 日大に四年間勝てなかったこと。それが俺の原点かもしれんな。”(p32)
との原体験があり、
” 後輩たちを甲子園で勝たせてあげたい。そこがコーチングの原点。甲子園ボウルいうのは、出て満足しとったらあかんねん。あそこに出たら勝たなあかん。”(p34)
との思いがあり、指導に貫かれてきたことが読み取れます。
そのような下地に、学生(選手)に求めることは
” 最終的に学生の存在意義はどんな尺度で判断されるかというと、「誰かに何かを与えられるかどうか」で決まると思うな。
勝ち負けやない。一緒に長い時間を過ごして、どれだけ仲間たちにいい影響を与えられるか、それが大切やと思う。”(p72)
或いは
” 関西学院で四年間フットボールをやる。何のためにやるか。
指導者の立場からすれば、人間形成やけど、学生の立場になってみたら、「新しい自分を発見すること」やないかなあ。
入ってきたときにおとなしくて、出ていくときもおとなしいままやったら、入ってきた意味あらへん。変わってこそ、意味がある。”(p92)
といった内容が、文字を通してでも熱く伝わってきます。
なお、本書はスポーツジャーナリスト生島淳さんとの共著で、鳥内秀晃さんが語られた言葉が、文章化されているようです。
関西学院大ファイターズで脈打つ歴史
個人的に、鳥内秀晃前監督に注目することになったのは、昨年(2019年)の日本大学アメリカンフットボール部の不正タックル問題の時で、
その時は強豪校同士の被害者といった捉え方に止まっていましたが、本書を読み進めるに従って、
関西学院大学アメリカンフットボール部に貫かれている哲学なようなものが読み取れてきて、
中、後半も、そのあたりが掘り下げられるのか、また、件の問題への言及はあるのか・・ 内容を楽しみにしたいと思います。