作家 百田尚樹さんと、安全保障、インテリジェンスに精通されている評論家 江崎道朗さんとの共著『危うい国・日本』を読了。お二人の対談によって進行。
「虎ノ門ニュース」を視聴していて、江崎道朗さんの専門性に触れ「何か(著書を)一冊」と思い、本書に手が伸びていた経緯。
冒頭、百田尚樹さんが担当された「はじめに ー 日本を危機に陥れる「デュープス」をご存知ですか?」で
” 今回の新型コロナウイルス(中国肺炎)は、もしかしたら私たち国民と政府を目覚めさせるきっかけを与えてくれたかもしれません。
それは「国を守る」「国民の命を守る」とはどういうことかを私たちが初めて考えることができたからです。”(p2)
と記され、門田隆将さんの『疫病2020』⬇︎
での展開されていた論と通底する内容ですが、
江崎道朗さんは今回の新型コロナウイルス対応で浮き彫りになったことに
” 日本には、対外インテリジェンス機関は存在しない。よって同盟国アメリカや台湾などから情報をもらうしかない。”(p18)
と、対外インテリジェンス機関の必要性について繰り返し言及。
本書では
第1章 日本はやっぱり「カエルの楽園」ー「中国肺炎の教訓」
第2章 憲法改正はなぜ進まないのか
第3章 本当に危うい日本の安全保障
第4章 日本人のための「日本の歴史」を取り戻そう
第5章 インテリジェンスなき日本でいいのか
第6章 コミンテルンの亡霊に怯えるな。しかしデュープスを注視せよ
という章立てのもと、さまざま日本が直面している危機に斬り込まれています。
対共の歴史から学ぶべきこと
さまざま俎上に上がった中で、とりわけ刺さってきたのは、
“もし一九四五年の時、ホワイトハウスがソ連のスパイに乗っ取られていなかったら、こんな懺悔をする必要はなかった。
だから、ホワイトハウスをいかに敵側から守るのか、乗っ取られないようにするのか、それが、インテリジェンスにとって一番、大切なことなのです。
この歴史の教訓を、アメリカの情報将校は深く認識しています。”(p252)
日本側に焦点を寄せると
” 日米の戦前の対立はコミンテルンが仕掛けたもの。それに惑わされて日米は不幸な戦争をしてしまったけれども、いまや日米両国は最良の友好関係を維持しています。
しかし、その友好関係を破壊し、日米分断をしたいと考えている国がある。いうまでもなく中国、北朝鮮、そしてロシアです。”(p273)
など、共産主義の侵攻を歴史から学ぶべき点には、現在進行中と感じられることでもあり、ことさらの危機を覚えさせられました。