馳星周さんが描いた南へ向かった一匹の犬と道中、飼い主となった人たちとの交流:『少年と犬』読了

小説家 馳星周さんの『少年と犬』を読了。

文学賞(第163回 直木賞受賞作)には、殆ど関心を持っていないながら、受賞時の作品紹介で「一匹の犬が、六人の飼い主たちと・・」といった設定に興味を持ち、

サイン本を入手出来た巡り合わせもあり、

本書に頂戴したサイン

購入していた経緯。

本書は、一続きの話しながら

 男と犬

 泥棒と犬

 夫婦と犬

 娼婦と犬

 老人と犬

 少年と犬

の六篇に分かれ、進行していきます(以下、一部ネタバレを含みます)。

南へ向かった犬を待ち受けていたもの

岩手県釜石市で登録されていた犬が、五年をかけて熊本まで渡り、道中の巡り合った人たちとの日々が描かれており、

それぞれ迎える結末は重たかったりしますが、途中、

” いつもなら南を見ているのに、どうしたのだろう?”(p54)

といった謎めいた記述もあり、続きへの興味を掻き立てられます。

ラストはきっちり伏線が拾われ、ぐ〜っとこみ上げてくるような締めくくりに感情移入させられ、馳星周さんのお名前は長く承知していましたが、直木賞受賞の知らせを契機とした作品との良い出会いとなりました ^^


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