小企業苦境、給与補助減で人材確保に難
” オーストラリア連邦政府の給与補助政策「ジョブキーパー」による支給額が今月から減額されたことなどを背景に、国内の小企業が苦境に立たされている。
各社で資金繰りが困難となる中、従業員がより待遇の良い他社へと流れる可能性が指摘されている。6日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
オーストラリアでは4日から、事業者向けの給与補助政策「ジョブキーパー」で、週20時間以上の労働者への給付額が隔週で1,200豪ドル(約9万5,000円)から1,000豪ドルに、20時間未満の場合は750豪ドルから650豪ドルに減額された。
オーストラリア小企業・家内企業オンブズマン(ASBFEO)のカーネル氏は、今回の減額が「小企業に対し予期せぬ結果を招くことになる」と指摘。
企業は補助金の受給資格を満たす場合でも、より優れた待遇を提供する他社に従業員を奪われる恐れがあるほか、
受給対象から漏れる場合については、賃金や経費支払いのすべての負担を強いられることになると述べた。
また小企業の間では、銀行融資の申請に煩雑な手続きが伴うことを背景に、新興のフィンテック(ITを活用した金融サービス)への融資申請が爆発的に増えているが、
これらの企業から融資を受ける多くの中小企業が、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)が規定するASIC法や、消費者金融保護法によって保護されていないことが問題視されている。
■12月の求人広告件数、1年半ぶり高水準
一方、国内の求人広告件数は順調な伸びを示しており、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の調べによると、昨年12月の求人広告件数(季節調整値)は15万9,000件と、前月から9.2%増加した。18カ月ぶりの高水準で、昨年2月のコロナ前の水準を上回った。”(出典:NNA ASIA)
雇用される側としては、より条件の良いところに・・、というのは必然の流れでしょうが、ビジネスフィールドの足元が揺らいでいる感じが伝わる気になるトピックですね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2021年1月8日分の掲載記事です。
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