クリエイティブディレクター 佐藤可士和さんの『デザインノート』誌での連載「佐藤可士和の視点とデザイン」がまとめられた『佐藤可士和の対話ノート』を読み始め、
21名との対話が掲載されているうちの10名まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
サイン本入手機会に遭遇、
反応し、入手していた経緯。
対話を介して
本書のタイトルに掲げられた対話を冒頭の「対話が教えてくれること」で、
” 対話を通じて、経営者として、一人の人間として、どこに力点を置いているのかということを探っていくのです。
その人が大切にしていることがつかめると、ディレクションにもブレがなくなりますし、その後の人間関係もよくなります。”(p10)
と対話の役割を示し、相手方は
” さまざまな分野のトップランナー “(p7)
で、具体的には
松井章奎 国際空手道連盟 極真会館 館長
中田英寿 元サッカー選手・実業家
柳原尚之 懐石近茶流嗣家
鷹野正明 株式会社三越伊勢丹 常務執行役員
など、多岐に及ぶ分野から幅広く人選されています。
印象に残った箇所を引用すると、
松尾豊 東京大学大学院工学系研究科 教授
” 本質を見抜ける人というのは、選り分ける力が相当強いのだと思います。さまざまな要素がある中で、ひたすら選り分ける作業をしていくことができなければ、表面的な部分だけを見て、誤った因果関係を見出してしまうおそれがあります。
たとえば、占い的な考え方をすると、今日の自分に良いことがあったのは、ラッキーカラーのアイテムを身につけていたからだということになりますが、
本質を見抜ける人というのは、今日上手くいったということが、過去のどんな行動に起因していたのかということを理解することができるはずです。”(p32)
猪子寿之 チームラボ代表
” サイエンスというのは、物理法則などによって「世界とは何か」ということを解き明かしていくものだと思っているんですね。
一方で、アートというのは「人間にとって世界とは何か」ということを明らかにするもので、これまでに歴史上のアーティストたちは美の概念というものを変えてきました。”(p62)
石井リーサ明理 照明デザイナー
“よく家の照明についてアドバイスを求められることがあるのですが、いつもお伝えしているのは、まず最初に家の照明をすべて消して、キャンドルを灯してみてくださいということです。
そこから少しずつ光を足して、これで良いかというところで止めると、自分にとって心地良い空間ができるはずですよと。”(p124)
という具合、
佐藤可士和さんのお名前は長く承知していたものの、距離を近づけていくことはこれまでありませんでしたが、
根源的なことに、ヒントを得られる示唆に、その道のプロフェッショナルと佐藤可士和さんの言葉が掛け合わさっての化学反応に知的好奇心を刺激され、中、後半の対話に興味津々での折り返しです ^^