5日間木箱に入りアメリカまで空輸、ブライアン・ロブソンさんの壮絶体験
” 1964年に、5日間木箱に入った状態でオーストラリアからアメリカまで空輸されるという壮絶な体験をしたブライアン・ロブソン氏が、自らの経験をカナダの放送局であるCBCに語っています。
イギリスのウェールズに生まれたロブソン氏は、1964年に移民支援プログラムを利用してオーストラリアのメルボルンへと移住しました。
ロブソン氏はオーストラリアへ移住してからすぐに、イギリスへ帰国したくなったとのこと。
しかし、ロブソン氏がオーストラリア政府と結んだ移民支援プログラムの契約では「国が旅費を支援する代わりに、オーストラリアで2年間働く必要がある」と定められており、イギリスへ帰国するには当時のロブソン氏の月給の17倍以上の支払いが必要でした。
そこで、ロブソン氏と2人の仕事仲間は、「ロブソン氏を木箱に詰めて、貨物としてイギリスまで空輸する」という方法を思いつきます。
2人の仕事仲間はロブソン氏が体育座りの体勢でギリギリ収まる大きさの木箱を購入。
木箱にロブソン氏と、水の入ったボトル・空のボトル・懐中電灯・小さなスーツケース・枕を詰め込んでクギを打ち付けて封じた後、「壊れもの」「取扱注意」「天地無用」と記したラベルを貼り付けて「荷物」としてロンドンへ送り出しました。
3人の予定では、ロブソン氏が入った木箱を載せた飛行機は、メルボルンを出発してから36時間でロンドンに到着する予定でした。
しかし、ロブソン氏が入った木箱は、何かの手違いでロンドン行きとは別の飛行機に載せられました。
結局、ロブソン氏は狭い木箱の中で5日間過ごすことになりました。ロブソン氏は「それは恐ろしいことでした」「酸素が不足しており、意識を失いそうでした」と、当時の状況を語っています。
さらに悪いことに、空港の係員が木箱に貼られた「天地無用」のラベルに注意を払わなかったために、ロブソン氏は約24時間上下逆さまの状態になったとのこと。
ロブソン氏は「真っ暗で空気の薄い船倉に閉じ込められ、筋肉を動かすことも、木箱から出ることもできませんでした。『私は死ぬだろう』と考えていました」と述べています。
どこかの空港に到着した時、ロブソン氏は懐中電灯の点灯に成功。その明かりに気付いた空港職員が木箱の中を覗いたことで、ロブソン氏は発見されました。
ロブソン氏は「空港職員と私の目が合った時、彼はバク転しそうな程驚いていました」と語っています。
ロブソン氏が発見された直後に、FBIやCIAを含む20~30人の人々が集まってきたとのこと。
これにより、ロブソン氏は自らがロンドンではなくアメリカのロサンゼルスに運ばれたことを知ります。
アメリカの当局による取り調べの後、ロブソン氏はアメリカの航空会社の好意によってファーストクラスに搭乗してイギリスへ帰国しました。
「FBIやCIA、その他全てのアメリカ人は私を丁寧に扱ってくれました。私はその時ほど丁寧な扱いを受けたことがなかったので、アメリカに恋をしました」と、ロブソン氏は当時の心境を語っています。
上記の経緯でオーストラリアからイギリスへの帰国を果たしたロブソン氏ですが、ロブソン氏を木箱に入れることに協力した2人の仕事仲間とは連絡が取れていないとのこと。
ロブソン氏は「2人の名前はポールとジョンだったはずです。彼らとは3カ月しか一緒にいませんでしたが、非常に親密な友人関係を築いていました。彼らと再び会いたいと願っています」と述べ、2人の仕事仲間との再会を熱望しています。
なお、ロブソン氏はオーストラリアからロサンゼルスへと空輸された経験を基に「The Crate Escape」と題した本を執筆しており、2021年4月30日に発売する予定とのことです。”(出典:GiGAZINE via livedoor NEWS)
カルロス・ゴーン氏の日本国外逃亡劇は記憶に新しいところですが、九死に一生とはこのことで、記事最後の出版を契機に旧友との再会等、更なるドラマを期待させられました。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2021年4月12日分の掲載記事です。
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