2ヵ月のロックダウンで10%の労働者が失業予想
” 3回の延長で2週間の予定のロックダウンが2か月に伸びるシドニー地域では青果物の値上がりが激しく、また、ペトロール価格も含めて、物価上昇率は賃金上昇率の2倍になっている。
そのような状況の中、大手銀行筋は、「ロックダウン長期化でシドニー地域では30万人が失業するだろう」と警告している。
7月28日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
コモンウェルス銀行(CBA)は大シドニー地域で労働者の10%が失業すると予想しており、ANZは、何万人という単位という先の予想を上回る失業者が出ると修正している。
豪統計局(ABS)のデータによれば、インフレ率は2020年第3四半期には0.8%上昇し、世界金融危機以前、ペトロール価格が1バレル$150になった2008年以来最高の水準の3.8%になっている。
この水準の年インフレ率は2020年後半、国内最初のパンデミック・ロックダウン時に導入された保育費無料化が終わった時に予想されていた。
しかし、物価の急激な上昇は、ほとんどのオーストラリア国民にとって実質生活費が上がっていることを意味し、1.5%という現在の賃金上昇率はインフレ率の半分以下ということになる。
CBAでは、「シドニー・ロックダウンが延長された結果、2021年第3四半期にはGDPが2.7%収縮することになる。
また、失業率も10月頃には5.6%でピークに達する」としている。同銀行の経済部は、「国の経済の大きな部分をシャットダウンする以上不可避の結果だ。
しかし、NSW州のロックダウンにより、国内最大の人口を抱える州で経済が収縮する一方で他の州の経済はわずかながら拡大することになり、国内経済がツー・スピード・エコノミー状態になる。
しかし、規制が緩和される時になれば経済回復を迅速化するため、かなりの規模の経済援助政策が必要になるだろう」と分析している。
大シドニー地域の労働力は全国の22%程度にもなり、2020年のロックダウンの際には20万人ほどの雇用減になり、同時に5万人程度の失業者増になっていた。
CBA経済部では、「失業する労働者のほとんどは他に就職口が見つからず、そのまま、労働力人口から脱落していくことになり、労働力率は低下するが、失業率全体ではわずかに上昇する事になる」と分析している。”(出典:NICHIGO PRESS)
全国的には元に戻った(以上の)
失業率ですが、ロックダウン下のシドニーが担う中心性を鑑みると、これから実際どのように影響が生じるのか、しばらく注視は必要とならざるを得ないですね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2021年7月30日分の掲載記事です。
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