昨年末、空き時間に書店に立ち寄った際、
発売直後ヒート↑していた
(本書)サイン本を見つけ反応、2021年最後に購入した一冊。
私小説を感じさせられるリアリティ
当初、
“「だいき! 学校どうだったの?」”(p44)
と実名と被る登場人物名に、出身地の北海道の設定に「(兼近大樹さんの)私小説?」と思いきや
” 唯一誇れる暴力がなくなると、俺には何の価値もなくなると思った。大人が認めてくれないのを察知して、暴れる。真面目に生きている人間の時間を浪費した。”(p209)
に、
” 俺が殺したも当然。
引っ越さなければ、イジメがなければ、俺がいなければ、彼女は生きていたかも知れない。”(p212)
或いは
” 今回捕まった罪を、俺の中では重く捉えていない。だって法で裁けない罪を、永遠に償えない悪事を、俺は、沢山犯しているから。それを背負って生きると決めた。”(p230)
といった荒涼とした世界観に、「多分、違うんじゃないかなぁ」と読み進め。
エンディング、
” 世の中から嫌われる奴らだからコンビ名は、よりダサい方がいい。俺らは、entranceと名付けた。素晴らしき世界への入口になれるように。”(p252)
と、ここでも(現実との)シンクロさせられる描写がありながら、闇深き世界から光が見出されるストーリー展開。
タイトルに掲げられた「むき出し」さを存分に感じられる青春小説でありました〜