サイン本販売情報を見つけた後、
イラスト的なサインが決め手となり、食指が動いていた経緯。
半世紀超に及ぶ足跡。そして訪れた転機
帯に
> 奇跡の “仲直り”を果たした超絶 “不仲” コンビの自伝的お笑い回顧録
とあり、
” 「おぼん・こぼんは10年前からソーシャルディスタンスしてますよ」”(p159)
という近年の脚光を浴びる展開に絡めた一文に ^^
こぼん師匠の
” 「何が一番いいのか」は僕にもわかりませんが。わからないままに、57年間、ずっとお笑いの仕事を重ねてきてしまいましたから。
「重ねてきてしまった」なんて言いましたが、それば僕が望んでいた人を笑わせる仕事であり、中学生の頃からの夢でした。
ですから、「あァ、夢は叶っているのかな」そう思います。
その夢を叶えられたのは運、不運もありました。僕らは運もよかった。
素人番組に出てスカウトされてトントン拍子でお笑いに世界に入れた。
キャバレー回って芸を磨いていたら『コルドンブルー』のオーディションがあった。そこで10年間汗をかいてたら『お笑いスタ誕』で10週勝ち抜けて漫才ブームに入った。
人生のタイミングになりそうなところで随分、運に助けられました。”(p204-205)
と最後に総括されていることの詳細が、おぼん師匠、こぼん師匠の視点から語られています。
そこには、読み手の多くが期待していたであろう
” 『水曜日のダウンタウン』から一番最初の「解散ドッキリ」企画のオファーが来たのはそんな最中だった。
マネージャーから聞かされた「ベテラン漫才師が別れ話を持ち出したらどうなるか」という企画。面白いと思った俺は、番組ディレクターに会ってみることにした。
「よし!やってみようよ」
「まァ、元々仲悪かったんだし」
マネージャーにも口止めをお願いして、向こうには一切内緒。”(p146-147)
という番組放映後、ネットニュースで凄まじく拡散された一件の舞台裏に、
” 40年間、50年間とやっているとお互いがお互いに対して、「なんで言わなきゃわからないの?」
「言わなくてもわかるでしょうよ」
みたいな感情が出てくるものだと思います。”(p135)
と、双方からの不仲へと至る言及あり、中には
” 実を言うと、僕も、余命宣告を受けているんです。”(p165)
とドキリとさせられる記述あり、盛りだくさんな内容が読みやすく書かれています。
エンターテイナーとして
それもこれも
” 僕らは他の漫才と違って、ステージ上で英語で歌を歌ったりタップ踏んだり「ショー」をやっていたのが、林会長の目には面白く映ったのかもしれません。
僕らがステージに上がる時は、わざわざ演芸場まで来て舞台の後ろからずっと見ていました。
そうして仕事が終わって東京に戻る時、林会長は必ず僕らにお土産を持たせてくれたんです。
「えェ!? あの林会長が!?」
「お土産を持たせてくれたんですか!?」
その話をすると、お笑い関係者はみんなひっくり返りました。”(p102)
という、とかく芸に厳しいことで知られていたという吉本興業 林正之助会長との逸話に本質的なことが込められいるだろうと、やがて60年になろうかという圧巻のキャリアに改めて凄みを覚えました。