オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所:事業所の労働者不足に家賃高騰の追い打ち

事業所の労働者不足に家賃高騰の追い打ち

” 4月23日付ABC放送(電子版)は、住宅価格高騰が続くNSW州で事業所が周辺地区に手頃な家賃の住宅が見つからないために労働者不足に悩まされていることから、経営者が住宅を購入し、被雇用者に住まわせる対策を取り始めたことを伝えている。現在、全国の住宅空き室率は1%程度とされている。

ダーシー・フランシスコさんの場合、2021年11月にNSW州最南部海岸地域のメリンビュラに移り、バーのマネージャの仕事についた。

しばらくの間は賃貸住宅に住んでいたが、その住宅が解体されることになったため、友人宅の居間に居候する「カウチサーフィン」生活が始まったという。

さらに、それまで働いていたスノーイー・マウンテンから昔の同僚を従業員に迎えようとしたが地域の住宅家賃は高すぎて住まわせることができなかった。

フランシスコさん自身がスノーイー・マウンテンに戻ることを考え始めたところでクラブ経営者が地元に4寝室のユニットを確保し、従業員に住まわせることを提案した。

ダミアン・フォリーCEOは、「事業所が従業員のために住宅を購入するというのは初めての試みだ」と語っている。

州北部海岸地域でも同じような事情があり、農家が経営する食肉処理企業、カシノ・フード・コープでは2021年末に事業所周辺の住宅不足を解消するため、約100万ドルの投資で簡易住宅10戸を建て、60人の労働者を臨時に住まわせるという対応を取った。

5月から従業員がこの簡易住宅で生活し、勤務することになる。コープでは、「賃貸住宅は高すぎる上に物件も不足しているため、自分達でなんとかするしかなかった。今後、さらに土地を買い、長期的な社宅にすることも計画している」と語っている。

オーストラリアでは2年間のコロナウイルス・パンデミックで大都市住民が郡部に移住しており、郡部でも住宅価格が高騰し始めている。

NSW州南部海岸地域では賃貸料が2年間で46.5%上昇している。また、北部海岸地域でも29.6%上昇している。しかもこれはNSW州に限ったことではない。

5月21日の連邦総選挙が近づいており、与野党とも全国の住宅事情を改善することを発表している。”(出典:NICHIGO PRESS

上昇率46.5%、29.6%となると持続可能性は無かろうと、すぐに住宅が建つ訳でもなく、何回か書いていることはありますが、質を伴った住宅の供給は優先順位の高い課題となりますね。

上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2022年4月25日分の掲載記事です。

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