リーグワン1部昇格決定の花園近鉄ライナーズ〝悪童〟クゥエイド・クーパーの献身
“「人は会ってみないと分からない」とはよく聞く言葉だ。取材をしていて、それを実感することも多い。
最近でいえば、今季のリーグワン2部で優勝し、来季の1部昇格を決めた花園(旧近鉄)の指令塔、SOクウェイド・クーパー(34)だろう。
オーストラリア代表キャップ75の世界的選手。若いころには代表首脳陣を痛烈に批判し、「悪童」と批判された。
天才肌で自由奔放なプレースタイルと相まって、悪い意味で〝尖った人〟というイメージがあった。
だが、取材してみると、表情は柔らかで受け答えは丁寧。全体練習後には率先して居残り練習に励み、若手にも積極的に溶け込み、熱心に指導する。
練習中はピリピリムードを醸し出すこともあるが、「私にとって試合は特に重要ではない。勝敗はコントロールできないから。でも、日々の準備を大切にすることで勝利に近づくことはできる」という言葉を聞けば、それもうなずける。
クーパーは昨年夏、4年ぶりにオーストラリア代表に復帰。9月のラグビーチャンピオンシップ第3戦、南アフリカ戦(○28-26)から10月23日の日本代表戦(○32-23)まで5戦連続で先発し、5連勝に導いた。
オーストラリアに比べれば、レベルの低い日本、しかも2部のチームに所属していながら変わらぬ高い実力を示し、続く欧州遠征への参加も打診された。
だが、その要請をあっさり辞退する。
「日本のシーズン前の大事な時期で、チーム(花園)のためにも、自分のためにもそうするのが賢明だと思った。そうして良かったと思っている」と2部順位決定戦第2節の三重(旧ホンダ)戦を2日後に控えた4月28日の取材の際には、こう言い切った。
そんなチーム愛あふれるクーパーの左胸には『永久』という漢字のタトゥーが刻まれている。
てっきり2019年の花園入団後に入れたものと思ったのだが、09年のスーパーラグビー・レッズ時代の南アフリカ遠征の際、当時も今もHB団を組むオーストラリア代表110キャップのSHウィル・ゲニア(34)と一緒に入れたという。
「日本語を入れたかった。ここに家族のタトゥーを入れているからマッチすると思った」と左脇腹を指して教えてくれた。
ちなみにゲニアの左胸のタトゥーも漢字で『天使』。奥さんをイメージしたそうだ。
この計185キャップの超大型HB団は将来の日本行きを予感していたのだろうか。
2人は来年も花園でプレーする予定だ。日本ラグビー最高峰の1部でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。それは同年秋にW杯フランス大会を戦う日本代表の選手たちにとっても貴重な経験になるに違いない。”(出典:サンスポ)
先日、花園近鉄ライナーズで今季限りで退団する選手一覧が記事になっており↓
確認したところQuade Cooper:クゥエイド・クーパーの名もWill Genia:ウィル・ゲニアの名も見当たらず、来シーズンよりチームにコミットしているであろう姿を想起させられました。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2022年5月19日分の掲載記事です。
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