2022年1~3月GDP0.8%増、輸入が大幅増で成長は減速
” オーストラリア統計局が1日発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は、前期比0.8%増加した。
新型コロナウイルス下での規制緩和を受けて同3.6%増となった2021年10~12月期から減速した。
個人消費は堅調な伸びを見せたが、輸入の急増で成長は小幅にとどまった。足元で進むインフレや住宅価格の弱含みが今後の成長の妨げとなる可能性もある。
GDPの約6割を占める個人消費は前期比で1.5%増となり全体を0.8ポイント押し上げた。輸出は、豪東部での悪天候を受けた資源輸出の減少で全体でも同0.9%減少した。
輸入は乗用車や家電製品などが増加したことで、同8.1%増と09年10~12月期以来の高さとなりGDP全体を1.5ポイント押し下げた。
豪州では5月に総選挙が行われ、労働党が9年ぶりの政権交代を実現した。
新たに財務相に就いたチャーマー氏はGDP発表を受けて1日記者会見し「総選挙前の予測よりも成長率が弱い」と指摘した。
3月以降も「インフレは進み金利は上昇した。ガソリン価格や電気料金も上がっている」と、経済運営で課題が山積していると述べた。
経済再開を受けた堅調な内需で「4~6月期の成長率は1~3月期比1.5%増に加速する」(英調査会社のキャピタル・エコノミクス)との見方が出る一方、住宅市場の弱含みへの懸念も浮上する。
住宅情報会社コアロジックが1日に発表した5月の豪住宅価格は前月比0.1%減となった。前月を割り込むのは20年9月以来だ。シドニー(同1%減)やメルボルン(同0.7%減)といった大都市での下落が影響した。
豪準備銀行(中央銀行)は5月にインフレ抑制のため11年半ぶりの利上げを決め、6月以降も利上げは続くとの見方が大勢だ。
金融大手AMPのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は「住宅価格は22年に2%、23年には10%落ちる」との見方を示す。
ローン金利上昇などを受け住宅市場がさらに弱含めば、資産価値の低減を懸念し消費意欲がそがれるリスクもはらむ。”(出典:日本経済新聞)
もろもろノーマルに戻りつつある中、足踏みといった感じながらも、見据えるべきは安定さを見込めるようになったこれからですかね。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2022年6月7日分の掲載記事です。
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