大離職時代回避か、離職率は標準範囲
” 豪政府統計局(ABS)の統計を基にしたメルボルン大学の分析によると、オーストラリアの労働者の離職率は今年2月までの1年間で11.2%と、過去の雇用市場が堅調な時のデータと大きく変わらないことが分かった。
新型コロナウイルス流行を背景とする「大離職時代(Great Resignation)」は回避したようだ。7日付オーストラリアンが伝えた。
メルボルン大学の労働市場エコノミスト、ジェフ・ボーランド教授によると、1990年以降のデータでは1990年(13.8%)、2002年(13.3%)、06年(12.5%)、08年(12.7%)など、これより離職率が高かった年が8年以上あるという。
また、新型コロナが発生した20年は8%と、経済活動が停滞したため低下していた。
ボーランド氏は「昨年の離職率は、低水準だった前年に比べ上がったが、労働者の働く意欲の変化というより、これまでの雇用市場が堅調な時の現象と同じ」と述べた。
米国では、新型コロナを起因とする働き方の見直しにより大離職時代が到来したとされているが、確かに通常より離職率は高いが、米国も雇用市場の堅調さによるものである可能性があるとした。
新型コロナを背景に労働参加そのものを止める傾向も指摘されているが、同氏は、国内の65歳以上の退職率は過去2年間、15~64歳層と比べて増えていないとした。
12カ月以内に退職を予定する労働者の割合も、21年は増えたが、現在は新型コロナ前水準に戻っているとした。
■転職率は高水準
ABSによると、今年2月までの1年間の転職率は9.5%と12年以来の高水準だ。また、約1,340万人の就労者のうち、勤続年数5年未満が55%、5年以上9年未満が18%、10年以上19年未満が16%、20年以上は11%となっている。”(出典:NNA ASIA)
コロナにより想定されたほどの時代の変換ではなかった、ということなのか、労働率もろもろ労働統計上の数値は悪くないようで本記事も一読した限り前向きに捉えられそうです。
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2022年7月11日分の掲載記事です。
オーストラリアにご興味をお持ちの方、Facebookページへの「いいね!」を是非宜しくお願い致します。