プロレス界を長く牽引し時代を築いた天龍源一郎さんの『俺が戦った真に強かった男』を読了。
サイン本入手機会に反応し、
入手叶った著書。
本書は、
プロローグ ー 実際に戦った者にしかわからない「強さ」がある
第1章 頭脳的で本当に強い!と感じた男
第2章 ハートが本当に強い!と感じた男
第3章 技術的に本当に強い!と感じた男
第4章 肉体的に本当に強い!と感じた男
第5章 人間的に本当に強い!と感じた男
エピローグ ー 結局、誰が「一番」強かったのか
特別寄稿 「天龍さんへの檄文」オカダ・カズチカ(新日本プロレス)
という章立てに沿い、
” 試合後に言った「ハンセンにはプロレスのすごさを、ブロディにはプロレスラーのすごさを見せられた」という言葉は間違いなく本心だった。”(p25-26/註 スタン・ハンセン、ブルーザー・ブローディ)
というじリング上のレジェンドたちと散らした火花から得られた実感に、
” 日本のみならず海外も含めて、数々のプロレスラーと戦ってきたが、テリーほどハートの強いレスラーはいないと断言できる。”(p48)
とフィジカルの強靭さとは別途リングを囲むファンの心も熱くしたテリー・ファンクに、
” 馬場さんの試合を見てもらえばわかると思うけど、プロレスの基本であるレスリングの動きは、意外にスピーディでキレがある。ノロいとかトロいとか、そんな表現とはほど遠い感覚があったのをいまでも覚えている。”(p122)
と巷のイメージとは異なるリング上で対峙した同士だからこそ刻まれた記憶に、ファンにはお馴染みのプロレスラーたちが天龍源一郎さんのフィルターを通じ、その凄みが紐解かれています。
覚悟を宿した者たち
読後振り返り、印象に残ったのは
” 横綱まで行った男がプロレスでもここまで心を強く持って泥水をすすれるのかと感嘆した輪島さん。北尾にそういう心の強さは感じられなかったし、本人もプロレスには心が向かなかったんだと思う。”(p75)
に、
” プロレスの世界では先輩の渕正信や大仁田厚、百田光雄(力道山の次男)なんかが「こんなこともできないのか」「それは違う」などと口うるさく言ってくるのには閉口した。
だけど、カブキさんは何かあると「どうした?」「何かもめごとかい?」って気づかってくれた。それは俺に対してだけじゃなく、みんなに対してだった。
馬場さんからの信頼が厚かったこともあるが、何よりカブキさんは喧嘩が強かったし、喧嘩っ早くもあった。だからカブキさんがニラミを利かせると、誰も何も言えなかった。”(p152)
といった件(くだり)、
” 基本的な投げ技であるボディースラムも衝撃的だった。全日本に入ったばかりの頃、ジャンボ鶴田にボディースラムでリングに叩きつけられた瞬間、五臓六腑が動いたような感覚があった。これは誇張でもなんでもない。相撲であれだけ鍛えてきたはずの俺が思わずグワッと吐いてしまった。”(p91)
なるいかにもプロレスラーらしい超人然としたエピソードとは別途、強さかくあるべきといった思いに導かれました。