養老孟司先生の『時間をかけて考える 養老先生の読書論』を読了。
タイミング良くサイン本入荷情報に
アクセス出来、入手していた経緯。
本書は、タイトルからてっきり本の読み方?
” 定期的に書評を書いていると、こんなに溜まるものか、と思う。本書で二つ目の書評集である。”(p2)
と思いきや書評集で、
1 意識は信用できるのか ー 心と身体
2 問題はヒトである ー 自然と環境
3 日常から考える ー 歴史と社会
の3章で計55冊が俎上に上げられています。
私が読んでいた著書はなく、逆にそのことで手に取っていない本の概要が、
” 著書は「夢とは睡眠中に出現する一連の思考、心象、情動である」と、とりあえずの定義から本書を始める。就学以前の子どもは夢と現実の区別がつかないという。学童期になると、夢は頭の中で起こることだと、たいていは理解するようになる。”(p68/ 新たな知を発見する脳の働き 『夢を見るとき脳は 睡眠と夢の謎に迫る科学』)
に、
” 現代人はどんなことにも正解があると思いがちだが、自然を相手にしていると、そんな傲慢な、という感じがする。さまざまな疑問に対して、「わかりませんねえ」と答えるのがふつうなのである。”(p120/ アリに学ぶ 『アリの巣の生きもの図鑑』)
或いは
” 人は自分自身を自然と身体から切り離し、すべてに回答を与える。単なる脳となってしまったことに気づいていない。しかもそれが全世界に幸福をもたらすと信じ込んでいる。それはほとんど現代のマンガだ。著者はそう語っている。”(p211/ 人生という深い謎 『人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来』)
といった具合、
興味持つ事がらに関して端的(4, 5ページ程度)、明瞭な表現(文章)でまとめられており、普段自分が手を伸ばしていない領域の作品主体であった分、学びとなる内容も点在しました。