先週半ば、侍ジャパン 井端弘和監督とスポーツライター西尾典文さんの共著『日本野球の現在地、そして未来』を読了。

（2024年）4月下旬に開催された

刊行記念イベントで入手していた著書。

本書は

” 2023年10月から侍ジャパンのトップチームで監督を務めることになった井端弘和とスポーツライターである私、西尾典文の共著であるが、私（＝筆者）が聞き手として井端本人の語った内容を中心にあらゆるエピソードを交えながら、その野球観や野球界への提言についてまとめたものである。”（p6）

という著書で、著者に名を連ねるお二人は

” 筆者が井端と頻繁にやりとりするようになったのは、それほど昔の話ではない。井端が自身のYouTubeチャンネルである「イバTV」で注目しているアマチュア野球選手を紹介する回に「（アマチュア野球をいっぱい見に行ってスポーツライターの西尾典文さんを目指そうかと思っている」と発言したことがきっかけだ。”（p238/註 筆者＝西尾典文）

という縁から付き合いが加速。必然、アマチュア野球界について

“日本高等学校野球連盟（高野連）が発表している資料によると、硬式野球部が連盟に加盟している学校の数は05年の4,253校をピークに減少に転じ、23年には3,818校にまで減少している。”（p79）

なる入口論から

” 井端 「まず、ショートの小林がいい選手だっていうのは、前の年の明治神宮大会から見ていて知ってました。その小林をセンターに回してショートを守らせるくらいだから、守備はうまいんだろうなと。」”（p125）

フットワークの軽さから広範囲に及ぶ井端弘和監督のレーダーに引っかかった無名選手の発掘話しまで浅からぬ内容満載。

それを支えているのが

” 単純に才能を持った選手を見つけることが好きだという。井端がまだ現役時代だった11年オフには、フジテレビが当時放送していた『すぽると！』における「プロ100人が選ぶパワーヒッターナンバーワン」という企画で、当時ルーキーで一軍でのプレー経験がなかった柳田悠岐（ソフトバンク）の名前を挙げたという逸話もある。”（p20）

という井端弘和監督の並々ならぬ野球で才能を発揮しているアスリートへの好奇心、慧眼によるもの。

これまで数多の野球本を読んできた中、

” 大谷以外にも力負けしない打者が出てきているという話だったが、23年のWBC決勝で村上が放ったホームランの打球速度は、この大会で飛び出したホームランの中でも最速となる115.1マイル（185.3キロ）をマークしたという。

ちなみに22年のメジャー・リーグで115マイル以上の打球速度のホームランを放った選手はわずか10人しかおらず、村上のパワーが既に世界でもトップクラスであることは間違いない。”（p208）

に、

” 23年のNPBで開幕投手を任された日本人投手は11人いたが、中学時代に軟式のチームでプレーしていた選手は7人を数えたのだ。  ・・中略・・

イチローも中学までは軟式でプレーしており、「硬式のボールを打つよりもミートするのが難しい」と話している。”（p208/209）

など本書で学ばされた内容も多数。

全編を通じて井端弘和監督の野球愛が十二分に伝わってきましたが、何より強みは（井端弘和監督が）日本球界の最高峰 侍ジャパンに加えU-15代表監督を務められている点。

他でも自らが運営されている井端塾で未経験者を含む学童の指導にも携わられ、さまざまな立場で吸収されたことを高いレベルで落とし込んでいける立場にあるということ。

日本球界を俯瞰出来得る稀有な立場から、監督として如何に結果を出し未来像を示していくのか・・ 本書を通じ秋に控える第3回 WBSCプレミア12を筆頭に手腕の発揮に興味を強くさせられました。

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