栗山英樹さんが12年の監督経験を通じて獲得した経験知:『監督の財産』中間記 ①

9日前(2025/2/16)に

<< 2025年2月16日投稿:画像は記事にリンク >> 栗山英樹さんが12年の監督経験を通じて獲得した経験知:『監督の財産』読み始め

読み始め記をアップロードした栗山英樹北海道日本ハムファイターズ前監督及び 侍ジャパン前監督の『監督の財産』、その後

“『伝える。』(監督2年目のシーズン前、2013年)、『未徹在』(監督4年目、2015年)”(p13-14)

に相当する

 3  伝える。(p221〜)

 4  未徹在 (p359〜)

を読み終えたので、その部分の振り返り。印象に残った箇所を以下に抜粋すると、

” 癖というのはなにも悪いもんやない、使い方なんです。癖のあるものを使うのはやっかいなもんですけど、うまく使ったらそのほうがいいということもありますのや、人間と同じですわ。癖の強いやつほど命も強いという感じですな。癖のない素直な木は弱い。力も弱いし、耐用年数も短いですな。”(p255)

という栗山英樹さんが習慣とされている読書を通じて知った法隆寺の修繕、解体を担われた宮大工西岡常一さんの言葉を使用されての人材及び育成論に、

” こう言うと誤解を招くかもしれないが、選手は指導によって伸びるのではなく、自分でうまくなるんだと思う。一流になる選手は、自分に必要なものとそうじゃないものを的確に見分けている。そして腑に落ちないものは捨て、必要なものだけを取り入れてうまくなる。彼らは賢い。”(p404)

と一流に至るか否かの分岐点に、

” 大谷翔平という野球選手は、元々バッターなんだと思う。性格とか、感覚とか。いい意味で鈍感だから、思いっきりやれる。野球界では、ピッチャーには繊細なタイプが多く、バッターには大胆なタイプが多いと言われるが、だとすれば、やっぱり彼はバッタータイプ。爪や指先をいつもしっかりケアしておかないと気がすまない。そういったピッチャー特有の神経質なところがあまり見受けられない。それをなんとかピッチャーにしようと思ってやっているから、自分のなかにジキルとハイドみたいなふたりが共存していて、わけが分からなくなってしまう。それで、たまに自分とぶつかっている。”(p470)

北海道日本ハムファイターズ監督就任1年目のオフから大谷翔平選手が入団に至った経緯から、獲得前の思い、球団の動きから固有名詞が目立つようになってきています。

見出される監督像

全体的には監督としての苦悩、試行錯誤を経て

” 1年目は自分で考えなきゃと思っていたが、余裕がなくてそれができなかった。2年目は自分ひとりで考えるようにしてみたが、そしたらチームは最下位になった。3年目はひとりで考えることに疑問を持ちつつも、もう1年やってみた。そこでようやく分かった。やっぱり任せるべきなんだって。たったそれだけのことに気付くのに3年もかかった。”(p402)

と監督像の一つの解が導き出されるところまでといったところ。

残すところ350ページ(/845)ほど。更に苦悩、試行錯誤が深まるのか、はたまた進化が見出させるのか、中、後半の記載に引き続き興味津々です。


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