書斎の本棚の目の付き場所には奥に入れづらい非定型の本だったり、未読本を入れていたりしますが、
そこになぜか工業デザイナーのKen Okuyamaこと奥山清行さんの本があって、久々に手に取ったのをキッカケに
最近、マイブームのYouTubeで検索をかけたところ、著名人のプレゼンテーションが数多く披露されている Ted での講演のアップを確認。
17分強の短い時間ながら、馴染みの分野ではないため上手く整理出来ているか、
「?」なところもありますが、自分なりにまとめてみました。
ケン・オクヤマが描く近未来
奥山さんが、その名を馳せたのはチーフデザイナーとして エンツォ・フェラーリ (フェラーリの創業55周年記念として販売されたモデル)をデザインした事と理解していますが
プレゼンの内容はキャリアを振り返るものでなく、「これから」にフォーカスしたもの。
時代に先を越された自動車業界
冒頭から「自動車業界は過去のものになった」と衝撃的な内容から始まりますが、
日本でヤマダ電機の台頭した如く、小売業が巨大な力を持った事から商品のコモディティ(日用品:必要で買わなくてはならないモノ)化が進んで、
ブランド(買いたいと思うモノ)の価値が大きく低下していると指摘。
自動車業界は単にハード(ハイブリッドカーや電気自動車は回答に成り得ない)に留まった製品開発でなく、
インフラストラクチャ(インフラ。経済発展に必要な公共施設)まで考えたプロダクトアウトでないと
消費者にストーリーが伝わらない時代となっている。自動車業界は、その判断が遅れたため、冒頭に記載の現状を招いてしまったと。
求められるバードヴューデザイン
自動車の競合分野として、エレベーター、オフィスなどが上げられていますが、「ものづくり」で経済発展を遂げてきた
日本としては、見逃せない時代の変化になりますね。パソコン等の家電製品でも、単に機能や販売を競うものでなく
アフターサービスであったり、アップル社に代表されるライフスタイルに合わせた利用シーンが描かれていないと、買ってもらえない事と共通していますかね。
スタバとガソリンスタンドの融合も想像される「これから」
奥山さんの指摘する近未来にスターバックスコーヒーでコーヒーを飲みに立ち寄るついでに、車の充電された電池を取りに行く利用シーンが想定されていますが
経済活動が行われる構造が、製造者からサービスの提供する方法にシフトしており、
注目するべきポイントは「業界のサービスを提供しているところ」と言及されています。
今は、これから(未来)が選べる時代
世界最大の産油国であるアラブ首長国連邦では、都市規模で次世代エネルギーの研究開発が盛んであるのに対して、日本国内では、全くその機運がない事。
こういった事、身近なところでは昨今の地方選挙で有権者に「(これからの)在り方」に関して判断を求められる事が増えて来た印象ですが、
それぞれの人が「ワクワク出来る未来」考えてみると、面白いと感じました。
藤子不二雄さんの描いた未来の一つが「ドラえもん」で、その他にもマンガや映画の世界で仮定された未来は多くありましたが、
自分が描く未来。そこからそれぞれの歩み、明日(以降)が進められていくような。