『豪州読本:オーストラリアをまるごと読む』が、4分の3ほどのところまできたので、おさらい始め。
もう読み始めてから2週間は経っていると思いますが、電子書籍で読んでいるゆえ厚みが分からず
紙版の情報を調べてみたら324ページ。「道理で、時間掛からないわけだな」と(笑)
その分、内容も読み応えがあって、目次をみると
序章 オーストラリアのプロフィール
第一章 オーストラリアのルーツ
第二章 オーストラリア人って?
第三章 政治 ー安定した二大政党制ー
第四章 法律 ー1つの国に7つの憲法と9つの法領域ー
第五章 ハッピー&ラッキー・カントリー
第六章 大陸は、広〜い
第七章 暮らしぶり ーオーストラリアのライフスタイルー
第八章 暮らしのセーフティーネット
第九章 多民族、多文化国家
第十章 日豪関係の歴史と将来
前半は、概要、歴史など導入編な内容で、以降の各論で印象に残った箇所を引用すると・・
” オーストラリア人って? ということでオーストラリア人の国民性、人柄、価値観を中心に展開し、社会通念を探求し、ナショナルアイデンティティーについて触れてみる。” (8% /百分率は電子書籍のページ数に相当)
(以下、抜粋)
国民性、価値観、社会通念
” オーストラリア人は一般的に、気さくで、楽天的でのんびりしている。率直で誠実である。
汚れのない子どものようで、素朴で親切である。あまり難しいことは苦手である。単純ではっきりしている。
洗練された人間性は限られた人で、悪くいえば田舎者でもある。何事にもあまりこだわりがなく、なるようになるさといった性格である。
大変フレンドリーなところはこの国民の長所である。
オーストラリアの国民性というか気質というか、あるいは価値観といえばいいのか、その代表となるものに、
メイトシップ(仲間意識)、平等主義、フェアゴーの精神(公正)、自由主義、判官びいき、寛容さ、トール・ポピー症候群などがある。”(8%)
メイトシップ
立場がどうであれ、君と俺は生涯仲間だということである。友情、忠誠、協力、共同生活などの要素が含まれている。
平等主義
人間関係において皆平等で、同じだという価値観があり、たとえば、先生と生徒、医師と患者、社長と平社員、タクシーの運転手と客など主従関係は存在しない。
オーストラリアのルールとは、すべての人が平等であることにある。また、社会的地位、民族あるいは経済的背景などに関係なく平等に扱われさえすればすべてよしということである。
フェアゴーの精神
人間はその立場、地位に関係なく公正に扱わなければならないというものである。
強者は弱者を助けることが公正である。また機会はすべての人に等しく与えられねばならないということである。
国民は政府に対してもこの考え方を実行させる。最近の調査によると、国民の90%以上がフェアゴーは国の価値観として大変重要であると考えている。
判官びいき
権力に対しては昔から抵抗感がある。特に警察権力に対しては拒絶反応が強い。
また弱者に対する同情、ひいきを醸成した。オーストラリアの国民性の中にいわゆる判官びいきをみるのである。
勝ち目のない勝負に挑戦する人間が好きである。チャンピオンや既存の権力に立ち向かう頑張り屋には惜しみなく拍手を送る。
トール・ポピー症候群
トール・ポピーとは背の高いケシの花であるが、他人より偉ぶったり、でしゃばったり、他人を妬んだりしないのがオーストラリア人の気質である。
出る杭は打たれるということわざがあるが、他人から自分が偉ぶっていると思われることを忌み嫌う。
あるがままの自分以上に良く見られることを好まない。自分は実際大金持ちであっても、それを他人に知られないようにする。
自分の社会的地位が高くてもそれを知らしめない。
オーストラリアでは見た目で人の地位を判断できない。他人より自分は優れている、偉いのだということを知られたくないし、それをみせびらかすことを嫌う。
自由主義、寛容の心得
オーストリア社会ほど自由な国は、他にあまりないのではなかろうか。
身分、資格、階級などにあまりこだわることなく、また利己主義などはこの国に似合わない。
人は何人も平等で互いに尊敬し、仲間である意識が根強く息づいている。快い秩序が保たれ、精神的に豊かで、寛容でゆとりがあり、フレンドリーである。
ナショナル・アイデンティティー
オーストラリアにはナショナル・アイデンティティなるものがハッキリしない。また、必要がないという人が多い。
裏を返せば人びとがより自由に活動できるということである。オーストラリア人は人を羨むことをしない。
町の真ん中をはだしで歩いても恥じることをしない。日本人のようにブランド志向がない。”(8-12%)
但し、
” 今までに述べた、平等主義、メイトシップ、フェアゴーの精神などはいわゆる古き良き時代の価値観である。
それが時代の変遷によって変化してきている。
入植当時の労働者階級の社会からホワイトカラーの社会に発展するに従って、階級、地位、競争などが表に出て、従来の価値観にも影響している。”(12%)
と、時間の蓄積と共に変化があり、今もその最中とみられますが、
8月、8回に分けて読了記をアップロードした『「おバカ大国」オーストラリア』
と同じく、「オーストラリア」を理解する上での基礎的事項が項目だって説明されており、
まっさらの状態で受け容れるもよし、日本人としての対比として捉えるもよし、
読み進めるうち「オーストラリア」に対する理解、または発見が得られる濃厚な一冊です。未了部分は、次回に続けます。