天龍源一郎が超安定志向を打破して築いたプロレスラー天龍の革命人生:『天龍源一郎 自伝 レボリューション』読了

天龍源一郎自伝『レボリューション』を読了.-

先日参加した天龍源一郎サイン & 握手 & 撮影会に共に参加した友人がイベント参加権取得のために購入した一冊を借りて読んだもの。

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<< 2015年11月29日投稿:画像は記事にリンク >> 天龍源一郎 サイン &握手 & 撮影会に行って、天龍さんにグーパンチされてきた

プロレスは一時、前田日明さん、高田延彦さんといったUWF系にハマり、RINGSやUWF INTERNATIONALは観に行ったものの

天龍さんの試合はなく、そのキャリアで全日本プロレスからSWSに至る独立劇までの事実関係は頭に入っていたものの、内容の殆どを本書について知ることになりました。

スポットライトの裏側で続いた苦悩の歴史

本の冒頭(はじめに)で、

” レボリューション。革命。この言葉は、プロレスラー天龍源一郎の代名詞とも言われた。

・・中略・・

その奮闘の日々はのちに、「天龍革命=レボリューション」と名付けられた。

プロレス人生を終えようとしている2015年においても、たぶん、あのときと同じように、俺の生き様をファンは面白がってくれているだろう。

ただ、嶋田源一郎(註:天龍さんの本名)という人間は、変革といった言葉とはほど遠い、超安定志向の人間だと俺自身は思っている。

超安定志向だからこそ、例えば金が入ってくると「いや、こんなはずじゃない。もっと俺には何かやることがあるはずだ」と思って、

新たな土地に移り、またゼロからスタートして、何かを作り上げる。

それがまた安定してくると、「いやいや、これは違うんじゃないか」と、さらに未知の世界に行く。

俺のレスラー人生は、それの繰り返しだったのかもしれない。

レボリューションと言われると、すごく革新的なことをやっているように思われるけど、超安定志向ゆえの不安が根底にあったのかなと、俺はそう思っている。”

と、ご自身の性格とプロレスラー人生を振り返られています。

本編に入ると、てっきり華々しいキャリア、スポットライトが当てられている期間が長いのかと思いきや

苦労の連続で、ご家族に我慢を強いたり、後輩たちの将来を支えようと必死に歯を食いしばる日々であったり、

水面下では相当の苦闘があったことが手に取るように描写されています。

ジャイアント馬場、長州力、そしてアントニオ猪木

個人的には、マンネリ化とも言える状況に陥っていた全日本プロレスに危機感を覚え、起爆剤の役割を買って出たり、

全日本プロレスに乗り込んできた長州力選手と手合わせする中で覚醒された感覚から、全日本プロレスを離脱(=SWSの旗揚げ)に至るまで。

その過程では当然、全日本プロレス社長のジャイアント馬場さんとの絡みも出てきたり。

更には後年、アントニオ猪木さんとのシングルマッチに至る経緯、天龍さんによる猪木さん評などが興味深かったです。

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昭和を背負った男が貫いた生き様

本では、先の引退試合(2015.11.13 オカダ・カズチカ戦/両国国技館)前までの記載で終わっており、

今後、改めて完全版?が出版されることがあるのかもしれませんが、

昭和の看板を背負った一人のアスリートの回顧録として、プロレスファンを中心に約270ページのボリュームながら読みやすく且つ読み応えある一冊と思います。

 


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