高城剛さんが発行されているご自身のメールマガジン「高城未来研究所フューチャーリポート」で
読者からの質問に答えているQAコーナーを再編集した『白本 弐』(刊行は電子書籍のみ)を読了。
前作となる『白本』は2014年8月に読了しており、
2015年2月に上梓された本書(電子書籍)を約1年後に入手。
今回は、全部で76あるQAのうち印象的であった3つを取り上げたいと思います。何れも、要約(抜粋)しています。
加速し続ける生き方
” 質問:自己啓発の本、熱く生きようぜ的な本、自由に生きようぜ的な本などたくさん読んでいます。
しかし、気分は常に落ち気味で、何をしたらいいのか分からなく、本の影響からか常に納得、満足いきません。
テレビもネットもほとんど見てません。SNSはかなりやっていると思います。
回答(=高城剛さん、以下同様):人はなぜやる気が出たり、ポジティブに物事を考えられるか、というと、それは脳内物質のおかげなんです。
もっとも大切な脳内物質は、「ハッピー脳内物質」と僕が勝手に呼んでいるセロトニンです。
セロトニンは、暴走しがちなノルアドレナリンやドーパミンのブレーキのような役割を持っており、
だからこそ、セロトニンをたっぷり放出できるのであれば、あえてノルアドレナリンやドーパミンを暴走させて楽しむこともできます。
例えて言えば、速度250キロ出せるブレーキなしの自動車とブレーキがついている自転車を考えてみてください。
もし、ブレーキなしの自動車に乗って、ブレーキがないことを知っていれば、いくら250キロ出せる性能があっても、20キロ程度しか怖くて出せないと思います。
しかし、ほとんどの人は自分の自動車にブレーキがついてないことを知らない上に、限界速度も知りません。
ですので、まだまだ行ける!と自分の可能性を錯覚し、気がつくと大きな反動が待っている(場合によっては大事故)、ということになってしまうのです。
思いっきり走りたいのでしたら、事前に準備=よく効くブレーキを装備しておくことに限ります。
すなわち、セロトニンを思いっきり出せるようにしておくのです。
そのために、僕は瞑想と、ちょっとしたジョギングをオススメしています!共にコストパフォーマンス抜群ですからね!”(No.210-227/数値は電子書籍のページ数、以下同様)
質問者の心情を理解出来て、高城さんの回答に示されている比喩が分かりやすく、根拠に基づく誰にでも簡単に出来る解決策が示されているのが良いと思います。
集中力が途切れない方法
” 質問:飽きっぽい性格で、何かに集中することが本当に苦手です。例えば、小さなことでも何か心配事が発生すると、
そのことばかり考えてしまい今の作業に支障が出てくることが多々あります。
そういった時に瞑想などを行っても、まったく集中できなのです。今後生きていく上で致命的なこの弱点をどうにか克服したいので菅、何かアドバイスを頂けますか?
回答:頭や心が困った時には、身体に訊くに限ります。一番簡単なのが、走ることです。
走り始めて、はじめの10分は少しキツいと思います。しかし、10分を過ぎると不思議なことに、それほどキツくなくなってきます。
理由は、脳内麻薬と呼ばれるエンドルフィンという物質が頭のなかで出てきますので、苦しいことを忘れ、走れるようになるのです。
ですので、はじめの10分(人によっては20分近く)が大切で、このヤマを越えられるかどうか、が持続力のカギになります。
この癖=エンドルフィンを早めに出す癖がつくと、他の仕事をしてても、エンドルフィンを上手に出せるようになり=気持ち良くなって飽きなくなってきます。
さらには、瞑想などでセロトニンを活性化できる癖をつけ、自分で自分をコントロールできるようになると、何をやってても気持ち良く=飽きなくなり、楽しくなります。
僕自身、あらゆる試みをしたと自負していますが、「走ってエンドルフィン、瞑想でセロトニン」。これが、最強だと思いますね。”(No267-.283)
最初の質問のひと続きで扱える内容ですが、やはり脳内物質を根拠にして、平易な解決法が示されていることがQ&Aとして秀逸です。
何よりも頼りになる「直感」を研ぎ澄ませる方法とは?
” 質問:高城さんの思考や考え方はいつも本当に関心させられるものばかりですが、世の中の動きなどはいつもどうやって予想されているのでしょうか?
回答:情報社会に生きていると、多くの人は「目の前のこと」だけに反応するようになってしまいます(例えば、今いくらお金がある、なども含め)。
ですので、この情報社会を楽しくかつ上手に生き抜くコツは、「目の前のこと」に反応しないことに尽きると思います。
しかし、人間は一度目にしたら、誰でもそれなりに気になるものですので、ということは、できるだけ情報を目にしないことだと思います。
僕はこれを「情報ダイエット」と呼んでいますが、そうすると結果的に「直感」のようなものが冴えるのです。
僕は自分の「直感」を、誰よりも信じています(特にインターネット上のあらゆる情報より)。”(No.761-769)
この回答は、今年の元旦に書いた高城剛さんの直感に関する言及で、
高城剛(さん)の素とでもいうべき考え方が、短いながらに記されており、
SNSとの距離感、情報収集の在りようなどに思いを及ばせている自分としては一つ参考にしたい回答でした。
まだ、本の残りが半分程度あるので、日を改めて残りの中から印象的であったQAを続きとして取り上げたいと思います。