読売巨人軍 阿部慎之助二軍監督と、野球評論家で新潟アルビレックス 橋上秀樹 総合コーチの対談を収録した『阿部慎之助の野球道』を読了。
サイン本入手機会に遭遇し手にしていた一冊。二人は安田学園高校で(歳の離れた)先輩後輩という間柄で、本書は
第1章 プロフェッショナルとは何か
第2章 巨人の二軍選手をどう鍛えるか
第3章 キャッチャーが背負わさせた宿命
第4章 バッティングはチームのためか己のためか
第5章 巨人軍と阿部慎之助の未来
という章立てに沿って、対談が展開されています。
嘱望された未来、二人三脚で切り拓いた才能
対談本ゆえ早々に読了に至るかと思いきや、然にあらず、情報量に印象的な言及あり、例えば
阿部慎之助監督が、中央大学の学生時代
” キャッチャーのことでいえば、横浜のキャンプに行ったとき、こんなことがありました。
バッティング練習を終えたある日の夜、レギュラーキャッチャーだった谷繁(元信)さんから部屋に呼ばれたんです。そこで
「もしウチに来ることになったら、とりあえずファーストミットを用意しておけ」
と言われたことをよく覚えています。”(p29)
と、プロ入り前から高く評価されていた打撃力に、
プロ入り後、阿部慎之助選手が十分に才能を発揮出来ずにいた状況に橋上秀樹さんは
“「集中している打席」と「そうでない打席」の差が激しいんだろうなって思った。ここぞという場面での集中力と、「お前、右打席で打ってんじゃないのか?」っていうくらい、ちゃらんぽらんな打席の差というのが、映像から見てとれたんだ。”(p55)
との考えから、巨人軍一軍戦略コーチ就任(2011年秋)後
” 「ひとまずこの1年(2012年)だけでいい。とにかく一生懸命、真剣に野球をやってくれないか」”(p55)
との約束事(/合意)を経て直後のシーズンに、
“(阿部)2012年は3割4分で首位打者、104打点で打点王の二冠を獲得することができました。”(p56)
と才能を開花させた二人の経緯に、
” デッドボールで当てられそうになるときって、すぐわかるんですよ。相手ピッチャーとやたらと目が合うんです。
・・中略・・
こういうとき、僕は打つのをやめます。「この打席は三振に終わってもいい」と割り切って、当てにきたボールから逃げることだけを考える。”(p125)
といった目から鱗な現役時代の裏話しに・・
託された未来 x 寄せる信頼 = !?
当然、本の軸の一つとして、現職の二軍監督として如何に近未来の読売巨人軍の選手たちを導いていくかということにもページが割かれていて、阿部慎之助監督の半生+今といった内容になっています。
橋上秀樹さんからすると、打撃をはじめ(巨人軍の主力として長年の活躍を支えた)メンタル等への高い評価に、
阿部慎之助監督側からは
” この本でご一緒させていただいた橋上秀樹さんは、僕の高校の大先輩であり、2012 年に打撃タイトルが獲得できたときの大恩人でもある。
いろいろな人の支えがあって、19年間の現役生活を送ることができたが、橋上さんは僕を支えてくれたなかでも極めて大切な存在である。
これからも僕の相談に乗っていただきつつ、いろいろな話ができればと思っている。”(p258)
と寄せる絶大な信頼から、遠くない未来、阿部慎之助監督、橋上秀樹ヘッドコーチの一軍ベンチを想像しましたが、さて・・