『オーストラリア入門 第2版』を読了。
出版社が東京大学出版会で、本文に相当するページ数が335に及び、当初は腰が引け気味のところもありましたが・・
想像していた内容よりは読みやすいもので、入門書と期待に沿った学びを得られました。
10の側面から学べるオーストラリア
収録されている内容を目次から拾うと
第1章 歴史
第2章 文化
第3章 アボリジニ
第4章 社会
第5章 メディア
第6章 法律
第7章 政治
第8章 外交・安全保障
第9章 経済・貿易
第10章 日豪関係
基礎的なところ、「第4章 社会」から引用すると
” オーストラリアの人口は2003年度にようやく200万人を越えたが、そのうち4分の1弱は外国生まれの移民・難民であり、
世界中から移住者を受け入れている。” (p90)
” 第2次世界大戦後に英国の影響力が衰退していくと、米国、そして日本を筆頭とした北東アジアや東南アジアとの経済関係が強化され、
オーストラリアのアジア太平洋国家化が進む。その結果、白豪主義はアジアとの関係強化への障害であるとされ、白豪主義解体が叫ばれた。” (p92)
というところから、「第3章 アボリジニ」
“今日では、オーストラリア全土の16%、北部準州では約50%の土地がアボリジニ共同体の所有となっている。
さらに重要なことは、土地権の承認とともにアボリジニの慣習法がオーストラリアの法制度に組み込まれ、
聖地の保全や伝統文化の維持などが法制度によって保障されるようになったことである。” (p75)
或いは「第8章 外交・安全保障」
” オーストラリアの総兵力は2006年現在、約5万1,000人(陸軍2万5,200人、海軍1万2,700人、空軍 1万3,100人)で
規模的にはシンガポールと同格であり、日本やタイの約25%程度の軍事力しかない。
しかも国土面積は日本の約20倍であり、自力でオーストラリアが本土防衛するのは極めて困難なため、重層的な安全保障体制が必要となる。” (p198)
といった国内事情に深く切れ込んだ内容まで、10の切り口からオーストラリアを知りたい人のために掘り下げられています。
日本とオーストラリアのまぁまぁな感じ
本の出版時期が第1版 1998年、第2版 2007年、第2版第4刷 2014年2月という履歴で
本文で引用されているデータ年の古さが気になりますが、このあたり観光旅行先としてのイメージが強く
他の側面(広義での二国間関係、ビジネス etc)での重要度がデータを頻繁に更新するまでに至っていない事の証左ですかね。
そのような背景もうかがわれ、これからも折に触れてオーストラリアに関する情報もこちらで発信出来ればと考えています。