前回、上梓した新刊の内容と合わせ、選んだ場での活躍を願う記事を投じたのが、4月6日。
そこから程なく4月9日、Yahoo!ヘッドラインで目にした「川崎宗則 メジャー昇格!」のニュース!! 👇
メジャーでスタメン起用されていたカイル・シュワバー外野手がシーズン絶望となる重傷を負ってしまったことによるアクシデントに基づくもので
108年振りのワールドシリーズ制覇を目論む Chicago Cubs:シカゴ・カブスにとっては一大事も
その状況で、真っ先に召集がかかった川崎宗則選手にとっては、願ってもないチャンス到来といえるでしょう。
さっそくバットと足で魅せた個人の開幕戦
メジャー召集早々、代打で起用された Arizona Diamondbacks:アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦では
シーズン初安打に2シーズン振りの盗塁を決め、
存在感を誇示してくれました。この模様はニュース番組で映像と共に報じられていたので、ご存知の方も多いものと思います。
この事が、直ちに2016年シーズンの安泰を告げるものではありませんが、
急遽、訪れた好機にしっかり結果を出すあたり、心身ともにコンディションが整っているとの証左で、ファンとしては期待が膨らんでいきます。
恩師とイチローが語る川崎宗則の本質
今回は、日本球界時代の恩師 森脇浩司さんが明かしたメジャー挑戦の舞台裏に関する記事 👇 が
ー野球・MLBの総合コラムサイトーFull-Countに掲載されており、興味深かったので取り上げたいと思います。
以下に印象的であった箇所を抜き出すと・・
” ムネ(註:川崎宗則選手の愛称)は変化、挑戦することを恐れない。
今年はテニスのジョコビッチが小麦粉を含む食べ物を一切摂取しない「グルテンフリー」でコンディショ二ングが良くなり成績が向上したので早速取り入れているとのこと。得意げに話す屈託のない表情は昔のままだ。”
結果に思いを及ばせる前に「いいと思った」ことは、即座に採り入れてみる姿勢に「(川崎宗則)らしさ」を感じます。
” 日本でもアメリカでも、メジャーであろうとマイナーであろうとも、いかなる状況、環境でも1球1球、その瞬間に真摯に向き合い準備も含め最善を尽くす彼のプレースタイルが変わることはありえない。”
我々に報じられてくることは節目の大きな出来事であったり、(パフォーマンスなど)特徴的なことが多いですが、
目の前のこと一つ一つに対して完全燃焼していく姿勢に、我々が知る川崎宗則の実像が示されていそうです。
” 米国でも明るいキャラクターで選手、ファン、マスコミと全ての人から愛されている。
面白可笑しな言動など少しプレーとは違ったところで注目を集めているが、それも彼の計算であり、彼自身なのだ。
メジャーに挑戦した1年目は言葉、文化の違いに戸惑い円形脱毛症にもなった。
その年のオフシーズンに食事をした時、「僕も繊細なんですね、1年目になっていて良かったです。
ただ、あの時の練習の方がしんどかったからアメリカでもやっていけます」と、あくまでもポジティブだった。
「楽しむとは苦楽を味わうこと。これからの時間こそ目を背けることなく味わっていこう」
これは彼が1軍デビューの時に私(註:森脇浩司)が投げかけた言葉だった。
そして、ムネは更に付け加えた。「上手くいかないことが多く苦しいけど味わっているから先に繋がるっていくし、楽しいです。僕に失敗はありません」と。”
森脇浩司さん、イチロー選手など人の出逢いに、あるべき心の在りように、ファンはジェットコースター的な環境の変化に目が行きがちですが、
大局的に見ると、着実なプロセスを歩んでいる様子が伝わってきます。
また、川崎宗則選手が誰よりも慕うイチロー選手が、川崎宗則選手のメジャー挑戦に関して(森脇浩司さんに)問われ、
回答した内容が下記の通りで・・
” 日本でトッププレーヤーになって裸一貫でメジャーに挑戦する際には心配したものだ。
私がホークスを退団した翌年の2010年。セントルイスで行われたマリナーズとカージナルスの交流戦を見に行った時にイチローと話す機会があり、「ムネはメジャーでどうだろうか?」と尋ねると彼はこう答えてくれた。
「日本人選手はアメリカに来るにあたって、これまでの経験の中で断念したり、当然のように計算します。
ムネはやれるかどうかではなく、こっちでやりたい。その一心です。そうなればもう誰にも止めることは出来ないでしょう」と。
成功するか失敗するか――。その次元ではなかったのだ。たとえ失敗してもまた一からやり直して必ず自分の夢を掴み取る。
今はそれがたまたま野球というだけである。この思いを持ち続けて突き進む。
ある意味、無謀と思えるこの挑戦には想像を超えるものがある。華々しい過去、地位も名声も、大金までも清算してのものだったのだ。”
と、さすが鋭い分析で、弟分ともみられる川崎宗則選手の心情を的確に言い得ていたように思いました。
また、恩師 森脇浩司さんから見た川崎宗則評も
” 人が何を望んでいるのか、本当の自分は何を望んでいるか、そこから答えを出し、自分の信じた道を邁進する。これが彼の生き方であり生き様なのだ。”
と明瞭に教え子の本質を見出しているように思い、様々、興味深い記事でした。
進化し続ける史上最強の川崎宗則に期待
まだ、シーズンは始まったばかり。メジャーリーグではシーズン中にもトレードが活発に行われるなど、
チーム内での熾烈な競争が続く状況に変わりはなく、向き合う現実のほどはメジャー挑戦5年目を迎え、
辛酸をなめ尽くしてきた川崎宗則選手にとって重々承知している事柄であると思います。
活躍の場をカブスに移してまだ僅か約1ヶ月半。
フィールド内ではオープン戦での打率.367と野手陣を牽引し、外ではチームを鼓舞する(下掲の)パフォーマンスなどから
チームを率いるマドン監督をはじめ熱狂的で知られるシカゴのファンの心をも掴んでいる様子で
川崎宗則選手を取り巻く環境も、渡米当初の無名の日本人選手の頃とは注目のされ方が大いに変わってきています。
川崎宗則選手自身も記事にあるような挑戦、変化を恐れない生きざまに
チーム合流早々に結果を出し始め、アメリカ&カナダ舞台のメジャーリーグ・ベースボール(MLB)での経験を重ね、メンタルタフネスも高めているであろう進化し続ける史上最強の川崎宗則選手の今後に大いに期待です。